見出し画像

再び歩いた

暗く長いトンネルを行く
すると暗闇に所々
光が差している

ゆっくり足を止めて見てみると
一閃の光は
過去に見た光景ではないか

日常のトンネルの中で
忘れかけていた記憶を
ひび割れた過去が
記憶を呼び覚ましてくれる

山の緑が川の、海の青さが
ひとの温かみが
光がわたしに問いかける

このトンネルにも外はある
のだよ

今まで見た景色と
これから見る景色

生きていれば
時折、こうやって
光を便りに知らせてやる

わたしはくらやみの途中で
立ち止まると

先に見える
一点の灯りを目指し

再び歩いた