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このテーブルに

亡くなったひとの足跡を
追うことは虚しいかもしれない
影を追うように

しかも失われた影だ

でも時々その影を追う中で
ひとびとの口から漏れでる
父の姿が影にしてはとても
鮮明に
脳裏に浮かぶんだ

まるで少しの用事で
席を離れた父を呼び戻しているかのように

皆から笑われ
懐かしがられて

色鮮やかな影として
テーブルに戻ってくるんだよ