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かしの木と襖

秋に身をそめない
かしの木よ
森はみな
頬を染めていくというのに
赤や黄色や茶や紫色に

秋が来れば
みなそれぞれ変わるというのに

その
かしの木眺めた
部屋に
西陽がずっと当たってて
襖を赤く染めていた

真っ赤に真っ赤に染めていた

時は襖を赤く染める
しかしその染め抜いた襖は
いつの間にか
また白くなっている

秋の小部屋から見る
庭のかしの木
秋に染まらず

わたしの部屋の襖は
夜に赤く染まらなかった