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世界一静かな大会

先日、東京浅草で行われたパイプクラブミーティングのイベントの一つである
パイプクラブコンテストが開催されましたが、
今までとは一線を画したイベントとなりました。

今回の会場は屋外、正確には天井があるけどほぼ外、
直射日光が当たらないだけ全然マシです、
当日は気温が高めで吹き抜ける風もぬるめです。

競技の開始が近づきますと
パイプ、たばこ、タンパー、マッチが配られます。

飲料水は開始10分後にならないと飲めません、
支給品に不具合が無いか確認しその時を待ちます。

私の今回の席は大ベテラン、大先輩方と同席でしたので緊張します。

競技が開始しますと、最初の5分間でたばこをほぐしてパイプに詰めますが、
ベテラン勢はとても丁寧にほぐしていらっしゃいます、
時間いっぱい使って葉を選り分けています。

私は3分程で終えますので、自分の適当さが恥ずかしくなる瞬間です。

5分後にパイプから手を離し、着火の準備をします。
審判長のゴングの後にマッチを2本使って1分以内に着火をしますが、
今回は屋外で風もあり
一箱以内の使用はOKという現場ルールが適用されました。

私は2本目をボウルに近づけた途端に風で消えたのでもう一本!
良いルール変更だ。
計3本使用ですね、通常ならアウトですが今回はOK!

ほんとはダメだけど、今回だけは良いよ。とか言われるとドキドキしますね。

屋外でも白い煙がもうもうと上がって行くのが見えますが、
これがパイプの大会の真骨頂。
しかしながらさすが屋外、煙があっという間に上空へ昇っていきます。

ここで盛大に燃やしますとタイムが伸びない為
小さめに火を保つのがコツだそうなんですが
消えると嫌なのでバンバン燃やします。

火が安定すれば後はタンパーを使って燃やしすぎないように
火の大きさをコントロールしながら時が経つのを待ちます。

競技中はパイプを咥えた状態のみタンパーの使用ができますので
実際にボウルの中は見る事はできません。
ですので想像力とボウルに触れている手から伝わる温度で判断して行きます。

ここ熱いな、こっちに動かそうかな。
みたいに。

灰は落としすぎると火が大きくなってしまう事もありますので気を使う所であります。

火が安定しても序盤に吸い過ぎるとたばこがすぐに燃え尽きてしまう、
中盤にタンパーワークをおろそかにすると火が大きくなって煙が粗くなる。
終盤はもう灰の量が多くなって来るので灰を落とす時に火種まで落とさないように気を付けたりと集中力が求められる競技です。

ここまでの説明で少し伝わってるとありがたいんですが、
喋ってる場合じゃ無いんですよ
頭がすごく忙しいんです
だから皆さんほとんど無言です
世界一静かな大会なんじゃないかと思う所以がここです。

これが競技となる以前は漁師さん達が仕事終わりのパブで
最初の一杯を賭けて行ったのが発祥の様ですが
現在はパイプ好きの集まりのメインイベントにまでなっています。

今回は1時間は超えたいと思ってがんばってましたが、
1時間を超えた辺りでたばこの味がしなくなります、
煙は出ません、消えました。

手を上げて計測員の方に現在のタイムを記録用紙に記入してもらい、署名。
結果は1時間5分少々で終了
がんばった方ですね。

129名の参加で、私は41位
ちなみに同席の大ベテランの方が2時間超えで優勝
練度の差を思い知ります。

そして今回の大会の素晴らしかった事の一つに
豪華な講師陣によるセミナーも同時開催。

・喫煙伝来、伝播史
・池波正太郎の素顔
・パイプの燻らせ方(体験)

タイムが伸びるとこのセミナーを受けられないんですが、
大変幸せな事にタイムが残念なものでしたので
池波先生にまつわる色々なお話しを伺う事ができました。
これがまた面白いのなんの!

翌日合羽橋に用事がありましたのでその足で
台東区立中央図書館内の池波正太郎記念文庫へ。

直筆の原稿用紙、絵もあります。
パキッとした色使いの気持ちの良い絵でありました。

そして、大会の方は表彰式、パーティと移っていきます。
私も41位なのに「あげます。」と言うお情けの賞を頂きました。
ありがたいありがたい。

盛大なパーティーの後、来年までお会いできるかわからないので
あちらこちらにご挨拶をして大会は終了となります。

この後仲間内で上野へ場所を移して宴。
日帰りの友人達をお見送りした後にもういっちょ。
大会当日はこれで終了。


翌日にスカイツリーで20年以上会っていなかった友人と会って
20年も会ってなかったのに全く変わってなくてびっくりして終了。
無事に帰路に着きます。

今年も無事に参加できて良かった。
パイプ繋がりのみんなも元気で良かった。
20年来の友人も元気で良かった。
行って良かった!

この凶悪と言える程の喫煙環境の悪い中、
知恵を振り絞って今回のイベントを考え出して下さった
関係者の皆様、運営に携わっていただいた方々に深く御礼を申し上げます。

ありがとうございます。

smoker planet


ちなみに、
ロングスモーキングに対して
どれだけの速度で1ボウルを燃やし尽くすかの時間を競う
ショートスモークというものもあるらしいです。

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