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ぼろぼろのZippoに思う事

 お店をやっておりますとお客さんと一緒に一服する機会が多々あります。
そして人の使ってるライターがとても気になります。
見せて貸して触らせてになる。

100円ライターが圧倒的に多い訳ですが、
やっぱり世界標準といっても過言ではないZippoです。
それなりに使ってる人もたくさんいらっしゃる。
その中でもたまにオーラを放つかの如く、という威容を持つ物があります。

あなた世界中を旅でもしてきたの?みたいに傷だらけでぼろぼろ。
汚くて恥ずかしいっす。と言われつつ見せて頂くと、迫力がすごい。
さながら歴戦の勇者。
数々の戦場を渡り歩いてきたんでしょう。

外で使うときに落っことしてキズが、とか。
オイルを入れすぎて最初の着火で手まで燃えたり、
初めてフリントを変える時にあのねじが恐ろしく固く締まってて
苦労して交換したり。
あの音が楽しくて無駄に開閉して蓋のぐらぐらがひどくなったり、
かっこよい着火をしようとして手からすっぽ抜けて
すっ飛んでいってヒンジがさらにガタガタになったり。
オイルを入れすぎて漏れたオイルで履いてたズボンにシミができるとか。

そんなZippoですが、手に入れた時の思い出もあるわけです。

気に入って買ったものだったり、誰かにもらったものかもしれない、
お父さんがたばこをやめたからもらった、とか。
じいちゃんの身の回り品のお片付けをしてたら出てきて、
大好きだったじいちゃんの使ってたものだから大事にしてる。
というのもありました。

いい、すごくいい。
その道具に意思はなくても使命、魂を感じる。
こういうのがたまらない。

カラオケのある居酒屋などでごきげんで歌ってて、
家に帰って一服しようと思ったらZippoが無い!
お店に電話したら探してみますねって言われて一日待ちました、
翌日電話が来て、ありましたよ!って言われた時のうれしさったらもう。
きれいとか汚いとかじゃないんですよ。
うれしさのあまり仕事終わったらジェットで取りに行くレベル。

手がかかる道具だから愛されるのかもしれません。
だから相棒と呼ぶにふさわしい。
あなたの手元にあるZippo、大事にしてあげてください。

ぼろぼろのZippoは偉い!



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