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048 ゴルフイベントで駐車場をリサーチしてみた

「ゴルファーは外車に乗っている割合が高い」

 これは、ゴルフ業界ではまことしやかに噂される「ゴルフ業界あるある」のネタの一つです。

 遥か昔から「ゴルファーは富裕層の比率が高い 」という話とセットのような話として、この類の話は業界の中ではある種の「常識」となっていると言っても過言ではありません。

 ただ、そうしたことを裏付ける定量的なデータを少なくとも私自身目にしたことはなく、自分自身ゴルフ場を訪れた際の「肌感覚」として持ってはいたもののそれを可視化してみたいとずっと思っていました。

 そんな私に絶好の機会が訪れました。本日2021年7月16日、千葉県の南総カントリークラブにおいて女性ゴルファーのみのゴルフイベント「レジーナオープン2021」が開催されたのですが(厳密にいうとこの原稿を書いている時点でも絶賛開催中)、その現地取材にお邪魔させて頂いたのです。

 「レジーナ」は言わずと知れた女性専門のゴルフ雑誌ですが、毎年この時期に女性ゴルファー約200名を集めたゴルフイベント(大会)を開催しており、私はスケジュールが許す限り毎年取材にお邪魔させて頂いております(昨年はコロナの影響により中止)。

 主目的は「用具調査」。具体的には参加者のクラブやキャディバッグを調べたり、インタビューに応じてくれる方には購入場所や購入動機、レディースゴルフ用品に対する不満や要望などをヒアリングして、自分が執筆する記事や分析用の基礎データとして活用させて頂いています。

 が、今回は用具調査はそこそこに切り上げ(コロナの影響もありインタビューは自粛)、駐車場に停まっている参加者の「クルマ」を調査してみました。

やはり高い外車比率

 ノートの縦軸に「ナンバー(管理地域)」を、横軸に「メーカー名」を記入し、夫々のマスに「正」の字を記入してゆきました。調査対象総台数は136台。今回の参加者が195名でしたので、単純計算すると1台当たり1.4人乗車してゴルフ場を訪れているという計算になります。この平均値が果たして多いのか少ないのか現時点では分かりませんが、1人台前半ということは恐らく「一人で運転してゴルフ場にやって来た」女性が多いのではないかということが想像できます。

 調査結果をレビューする前に、日本全体の自動車メーカー別のシェアについて情報共有させて頂きたいと思います。日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表している「2019年ブランド別新車販売台数確報」によると、日本国内のメーカー別シェアは以下のような数字だそうです。

・トヨタ 31.0%
・ホンダ 14.5%
・スズキ 13.9%
・ダイハツ 13.2%
・日産 11.4%
・レクサス 1.2%
・マツダ 4.1%


 そして輸入車のシェアは6.0%なんだそうです。日本において外車を目にする機会は「日産車よりも少ないけれどマツダ車よりは多い」とうレベル、ということになります。

 この数字を念頭に置いた上で、今回私が調査したメーカー別の台数シェアを以下に記してゆきたいと思います。

・トヨタ 25.4%
・ホンダ 4.1%
・日産 2.5%
・レクサス 9.8%
・マツダ 6.6%

 サンプル数の差と言ってしまえばそれまでですが、全体のデータとは明らかに傾向が異なっていることが分かります。更に異なっているのは「外車比率」。駐車場に停まっていた海外メーカーのシェアは以下の通りでした。

・メルセデス 12.3%
・BMW 9.0%
・フォルクスワーゲン 3.3%
・ポルシェ 1.6%
・プジョー 1.6%
・その他海外メーカー 13.1%
(その他:アウディ、MINI、アルファロメオ)

 外車の総駐車台数は50台。国内メーカーを含めた総駐車台数の実に41.0%(但しレンタカーを除く)が外車だった、という結果になりました。

 改めてゴルファーにおける「外車比率」の高さにビックリ!という結果となりましたが、ポイントはこれらが全て「女性の運転」であることなのではないかと思います(中には男性の運転で連れて来てもらった、という人もいるかもしれませんが)。

 もう一つ私が知りたかったのが「レンタカー」の構成比。総駐車台数136台のうちレンタカー台数は14台でした。つまり全体の10.3%がレンタカーだった、という計算になります。今回のレジーナオープンは、感染症対策の観点からクラブバスの運行を取りやめたそうで、もしかしたら過去の開催よりもレンタカーの比率が高くなっているのかもしれません。また「10.3%」という数字が果たして何の意味を持つのか?についても比較対象がないため判然としませんが、個人的には「まあまあ多いなあ」と思いました。

 今回はあくまでも「レジーナオープン」という一つのイベントにおける傾向を可視化したに過ぎませんが、例えば全国のゴルフ場がこのようなデータを蓄積していって自動車関連企業に販売してマネタイズする、こうしたデータを活用した「ゴルフ産業×自動車産業のコラボレーション」的な新しいビジネスモデルを構築する、なんてことも可能なのではないかしら?などと思った次第です。


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