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高齢者の免許返納後を考える

 今回はゴルフ以外のお話をしたいと思います。

 私、会社ではゴルフ以外に釣りとスポーツバイク(自転車)の産業調査を担当しているのですが、スポーツバイク産業の方々とのご縁で昨年よりとあるプロジェクトに参加しています。

 どんなプロジェクトかというと、「高齢者の免許返納後の移動手段について考えるプロジェクト」。

こちらがプロジェクトメンバー。多彩であり多才

 池袋で80歳を超える高齢者がブレーキとアクセルの踏み間違いにより暴走し、幼い子どもとお母さんが亡くなったという痛ましい事故がありましたが、それ以外にも加齢による体力的、精神的な衰えによる自動車事故は後を立ちません。

 「自分はまだまだ大丈夫」という過信が事故に結びついているケースもありますが、自動車に乗らざるを得ない、頼らざるを得ないケースもあるようです。特に公共交通機関網が脆弱な地方都市部ではそうした傾向が強い。

 政府もそうした高齢者対策を講じてはいるけれど、実情と比べても、また先進的な諸外国と比べても遅れているのが実情のようです。このあたりは自動車産業発展の恩恵を受けてきた日本という国の歴史的背景も関係しているんじゃないか?という気もします。

 今後加速度的に増加してゆくであろう75歳以上の後期高齢者と免許証保有者数、それのスピードで増加するであろう免許証自主返納者の「その後の移動手段」を如何にして多様性・持続性のあるものにするのか。それを考え実行フェーズに持っていくのがプロジェクトの活動主旨です。

 更に言えば「高齢者がハッピーに暮らせる国にするにはどうあるべきか?」を実現するのがプロジェクトの本当のゴールなのかもしれません。

 仮に移動手段が多様化したとしても、「移動する目的」がなければその移動手段を使う人は少ないんだと思います。

 「移動そのものが楽しい」「移動した先に楽しみがある」という世界も同時に創出しないと、どんなにインフラが多様化しても本末転倒になってしまうような気もします。

 プロジェクトは自転車やモビリティの専門家の集合体であり、正直私のこの世界での専門性を発揮できる場面は少ないんですが、「真の目的はどこにあるんだ?」という視点は失わないようにしたいなぁ、と思っております。

 あ、プロジェクトメンバーで論文をまとめて、4月に書籍として発売する予定です(あくまで予定)。

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