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084:2022年版ゴルフ産業白書

今年もナントカカントカ脱稿

 当社(矢野経済研究所)が毎年発刊している、用品市場を中心にゴルフ産業の動向と将来性を調査・分析したレポート「ゴルフ産業白書」。今年も何とか2022年版の編集を締切前に終了することができた。

 これが終わると「ああ、今年も夏が終わるなあ」という感じ。

 で、今年の2022年版。正直なことを言うと「今までやってきた中で一番楽しかった」。

 楽しかった、と言うと語弊があるかもしれないけれど、やりがいがあったというか「こういう分析をしたら購入者に役立つんじゃないか?」という発想やアイデアがかなり出た。そのため昨年版(508ページ)と比べて約70ページも増えてしまったのは想定外(580ページ)。

 しかも、昨年版までアンケートや有価証券報告書の入力をしてくれていた「スーパーアルバイター」のKさんが5月を以て退社してしまったため、久しぶりの「100%ワンオペ編集」。

 さらに、Kさんが退社したため同じく私が担当しているゴルフ用品小売店実売データ「YPSゴルフデータ」の諸々の処理も自分で100%やらないといけない状態だった。

 そんな「す〇家の店員よりも過酷なワンオペ労働環境」であったにも関わらず上述したように「楽しい」という気持ちで入れたのは何故なのか。

 それはやっぱり、ゴルフ産業が活況を呈しているからだと思う。

 そんな思いを資料冒頭の「はじめに」に残しておいた。以下はそのコピペ。こんな気持ちを忘れないようにという想い、こんな逆境に晒されたのは久し振りだったという想い、そして来年も同じ気持ちで臨みたい(来年も業界が元気であって欲しい)という願いを込めて残しておきます。

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私が矢野経済研究所に入社し、本「ゴルフ産業白書」の編集責任者になってから早いもので20年以上が経過しましたが今回の「2022年版ゴルフ産業白書」ほど、編集をしていて「楽しい」と思ったことは正直に言ってありませんでした。
 
 私が前任の担当者からこの仕事を引き継いで以降、基本的に国内ゴルフ産業は一貫して「右肩下がり」のベクトルを描いてきました。正確には2000年中盤頃に国内男女若手プロの活躍に端を発した「プチゴルフブーム」とでも言うべきムーブメントが起きた時には「もしかしてこのまま成長軌道に乗るか?」と淡い期待を抱きもしましたが、残念ながらそれが短命に終わったことは20年以上業界に従事している方ならばご存じでしょう。
 
 毎年500ページから600ページもの資料を編集するのはかなりの「重労働」です。それは肉体的なものよりも「今年は一体何をネタにすれば良いのだろう」という精神的なものの方が遥かに大きいのが実情です。上述したように右肩下がりのベクトルを描いている産業では「ポジティブな要因分析」を行えるネタは殆どなく、どうしても「ネガティブな要因分析」で行間を埋めるしかありません。そのためつい「こんなことをしていてはダメだ」「市場が悪いのはこれが要因である」という“ダメ出し”をしてしまうというのがこれまでの本資料のコンテンツ構成でした。「業界に対して問題提起をした」という一種の自己満足感、事故陶酔感はあるものの、「書いていて楽しいか?」と聞かれると決して楽しい、気持ちの良いものではなかったのが本音です。
 
 ところが今回発刊の「2022年版ゴルフ産業白書」にはポジティブな分析や文言、将来予測が多数盛り込まれています。勿論持続的な市場発展に向けた課題は未だ多く、コロナウイルス感染拡大によって図らずも産業全体が活性化したが故に可視化された新たな課題もありますが、プラス要因を分析するのがこんなに楽しいものなのかということを、もしかしたらこの会社に入ってから初めて感じたかもしれません。
 
 来年もまだこの仕事をしているかどうか分かりませんが、もし来年も「2023年版ゴルフ産業白書」を私が担当していたならば、同じような心持ちで編集に臨みたいと心から思っております。
 
今年も非常に多くの業界内外の関係者から有益な定量・定性情報をご提供頂いたことで無事に発刊の運びとなりました。改めてご協力頂いた皆様に感謝申し上げます。
 
 
2022年8月21日

 株式会社矢野経済研究所
コンシューマーマーケティングユニット スポーツ&レジャーグループ
ゴルフ産業白書プロジェクト担当  三石 茂樹

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