見出し画像

怒りのメッセージは、伝わらない。

こんにちは。ニシムラです。

教室で全体に向けて叱責のメッセージを送ると、伝わって欲しい人には伝わらず、受け取らなくてもいい人が受け取ってしまい傷ついてしまう、ということがままあります。この現象は、教育の現場だけでなく、様々なコミュニケーションの場で起こり得る問題です。その背景には、人々が情報をどのように処理し、感情をどのように経験するかという、人間の心理の複雑さがあります。

一般に、怒りや批判は受け手を守りに入らせます。人は攻撃されると感じると、防御的になり、メッセージの内容よりもその感情的な影響に反応する傾向があります。特に、叱責が公の場で行われると、恥ずかしさや屈辱感が加わり、本来のメッセージよりもこれらの感情が強く記憶に残ります。

問題は、このような状況では、メッセージが最も伝わるべき人々、つまり行動の改善が求められている人々が、その叱責を「自分には関係ない」と無視することが多いという点です。彼らは自己正当化や他責に走りがちで、メッセージの真意を受け入れることが難しくなります。

一方で、より感受性が高く、共感的な生徒は、たとえその叱責が自分に向けられたものでなくても、その重さを自分のものとして受け止めてしまうことがあります。彼らは、他人の感情や反応に敏感であり、その結果、不必要に罪悪感や不安を感じることになるのです。

この問題に対処するためには、叱る側がより注意深く、個別に対応する方法を考えることが重要です。全体に向けた叱責ではなく、直接関係する人々と個別に話をすることで、メッセージの誤解を防ぎ、より建設的なフィードバックを提供することが可能になります。また、叱責する際には、その人の人格や尊厳を尊重し、具体的な行動の変化を促す方法を提案することが、効果的なコミュニケーションの鍵となります。

結局のところ、教室内であれどこであれ、コミュニケーションは複雑でデリケートなプロセスです。叱責のメッセージを伝える際には、受け手の感情や反応を考慮に入れ、より思慮深く、慎重に行動することが求められます。これは、互いの理解と尊重を深め、より健全なコミュニティを築くための重要な一歩となるでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?