名盤!ano「猫猫吐吐」

先日、あのちゃん(アーティスト名「ano」)のファーストアルバム、「猫猫吐吐」がリリースされた。

あのちゃんのことはTBS「ラヴィット!」の通称(?)「ほぐした赤LARK事件」で知って、それから気にはなっていた。

意外にも今回が初めてのアルバム、というかCDでも出すのは初めてかも?(違ってたらごめんなさい)

これがとにかく良い!!
レビューをしてみた(長くなったのでDISC1「猫猫」のみです)。


1.猫吐序曲
省略。

2.猫吐極楽音頭
「音頭」というだけあってお祭り感がすごい。途中で急に曲調が変わってゆっくりになるところは「極楽」感もある。かと思ったら、最後はテンポが速くなる。
とにかくライブで盛り上がりそう!みんなで、ニャンニャンオエー!ニャンニャンオエー!ってやってみたい。

3.ちゅ、多様性。
言わずと知れた名曲。あのちゃんがアーティストとして爆発的に火が付いた曲。メロディやダンスがキャッチーで印象的なのはもちろん、それにハマる歌詞も良い。
この曲は楽器隊も素晴らしい。コーラエフェクトパートと速いカッティングパートのギター、やや音の大きいパワフルなドラム、要所要所で出てくるスラップっぽい音やメロデッィクなフレーズのベース、スタジオ感のあるリバーブなどが見事にこの曲を構成している。
この曲を聴いた時、見た時、かなり衝撃だった。この曲大好き!そしてあのちゃんの時代が来るわこれ!と思った。今年この曲をあのちゃんは何回歌ったんだろう。

4.涙くん、今日もおはようっ
ものすごく明るく楽しい曲調。にもかかわらず、鬱屈した孤独な主人公とそれに音楽と一緒に寄り添うような歌詞で泣きそうになる。明るい曲鯛なのが逆により心を締め付けられる。「らららららん 涙が今日も流れてく」で終わるのもすごくつらい。「今僕が叫ぶ(↑)から」のとこで上がって叫んでる感じとか最後転調するところがすごく気持ちい。
あとCDTVライブでこの曲を歌う時、あのちゃんがまめっちとくちぱっちと一緒に歌ってたけど、ものすごく全体的にかわいい。バンダイさん、できればこの曲歌う時、毎回たまごっち達も出させてくださいお願いします。それをもうCDTVでNobodyknows+が「ココロオドル」を歌う時、なぜか移動して歌うぐらい恒例にしてほしい。

5.普変
イントロのリフがすごく印象的。
作詞作曲はクリープハイプの尾崎世界観氏だけど、あのちゃんの想いや嘆きが詰まっていて、歌い方にそれが乗っていると感じる。普通って何?変って何?普通になりたいの?特別になりたいの?普通がいいの?変なのがいいの?という意味かどうか分からないが、ものすごく共感できる。

6.AIDA
ほかの人はいるのに世界に二人だけしかいないような、慕情に溢れているがどこか切ない曲。「馬鹿さ 馬鹿さ」や「僕の」の「ぼ」の高音がとても印象的。

7.コミュ賞センセーション
「あ あ あ」「clap clap clap」というような繰り返しやサビの高音と耳に残りやすいメロディ、ラップのような語数の多いメロディも特徴的で面白い。

8.スマイルあげない
マクドナルドとのコラボ楽曲。曲も歌詞も面白い。曲はコミカルでかわいいく個性的で、AメロやサビなどはポップなのにBメロや2番は本当に変で面白い。終盤は急にテンポが落ちてきたと思ったら、そこで終わらずまだちょっと続くのも面白い。
歌詞はあのちゃんが実際学校に行けずマックを食べていたという話などに基づいているらしく、コミカルな曲とは裏腹に後ろ向きな部分も多いし、そもそもマクドナルドのシンボルである「スマイル」を「あげない」と、曲名からそれを否定しているのをコラボ楽曲として出しているのがすごい。

9.Tell Me Why
「Tell Me Why」のフラットでちょっと倦怠的な歌い方と「ソーダンスウィズミー」が耳に残る。2:12で終わる短い曲。

10.ンーィテンブセ
ドライブ感や疾走感に溢れていて、タイトル通り、それに乗った歌詞が若さやその勢いを感じさせる。若い時は、楽しくてもつらくても普通でも何もなくても、密度が濃く駆け抜けていく感じがすごく良く出ていて、その若さを大人になった視点から描いてるようにも思える。
曲の短さ(2:47)的にも駆け抜けていく。最近の曲は短い曲が多いな…

11.鯨の骨
作詞作曲あのちゃん。主演映画「鯨の骨」の主題歌になっている。歌詞的にはやはり映画の内容ともリンクしていると思う。(まだ見てませんすみませんそのうち見ます)
消えそうな切なさとサビの雄大さが心地よくも寂しい。アルバムの最後の曲としてもすごくハマっている。6:12と長さがたっぷりあるのも良い。


とにかく全曲良い。あと曲順も最高。

あのちゃんのかわいさ、ポップさ、クールさ、面白さ、キャッチーさ、ダークさ、コミカルさ、鋭さ、苦しさ、悲しさ、切なさ、寂しさ、若さ、情熱、葛藤、絶望、鬱屈、虚無、孤独、疑問、叫びなどいろんな魅力と要素が詰まったアルバムになっている。
また、あのちゃん以外の作り手陣も素晴らしく、あのちゃんの魅力を存分に引き出している。

自分は想いや気持ちを歌詞に乗せる歌は昔ほど響かなくはなったけど、それでもあのちゃんの歌詞やあのちゃんが歌う歌は「くる」ものがある。歌詞がどれぐらい実体験や過去からくるもので、どれくらい本当の気持ちなのか自分には分からないけど、つらいことがあったんだな、あるんだなと思わせる。でも応援してる人はたくさんいるし、共感した人、救われた人、元気をもらった人もたくさんいると思う。

なかなか大人になって年齢を重ねると、「新アルバム」に魅了されることが少なくなったけど、その中でも予想できない良い出会いがまだあると思わせてくれた名盤。


あのちゃん今年は忙しすぎたと思うので、来年は休ませてあげて( ノД`)

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