【映画の話】思えば貴重な機会だった【学校での映画鑑賞】
結構いいお年頃の自分なので、子供の頃の映画って【特別なもの】という感じがありました。今ではとても身近になっていますよね。映画館も割と近くにある環境ですし、テレビで観ることもできます。有料で契約すれば、好きな作品を好きなタイミングで観ることも可能です。
子供の頃の記憶に戻って。あまり映画館に行った、という記憶がないんですけど・・・。地区の【子ども会】っていうのがありまして、その会で季節ごとのイベントが企画され、その中で【映画鑑賞】があったかな?でも、うちはあまり行かなかった。【遊園地】【祭り】そういうのは行ったかな?
小学校くらいになってくると、学校で【映画鑑賞会】が開催されるようになりました。体育館で観るんですよ。その日はクッション・座布団持参で登校したと思います。懐かしい。
どの学年だったかは覚えていませんが、とても印象に残った作品があります。それは【対馬丸】です。
調べてみると【対馬丸~さようなら沖縄~】という作品でした。公開が1982年。
⚠注意⚠
ネタバレとなる内容が含まれます。ご了承ください。
ハッキリ全てを覚えてるわけではありません。そして、もう一度観たい…と、向き合う勇気がありません。ですので、詳しく書くことはできませんが…。
避難をする様子も、いきなり困難な状況になっていきます。それでも、途中笑いが起こるくらい、まだ何て言うか【映画の中で起こってる、コミカルなシーン】という受け止めだった。
ですが、その様子はどんどん辛いものとなっていきました。一瞬で命を奪われ人生を終えてしまう。もしかしたら、何が起こったかわからないまま逝ってしまった人たちも多かったのではないでしょうか?
それと同じぐらい、ひょっとしたらそれ以上に、少しずつ弱っていき苦しんで最期を迎えてしまう…それは怖いことだったでしょう。
体育館の中では、それまでの空気とは一変しました。誰も言葉を発せず、ただただスクリーンを見つめる。
大きなスクリーンに映し出される凄惨な様子。大きな音。そして、助けを求める声…。
物語の中だけではなく、きっと現実の私たちも胸が詰まる思いだったでしょう。
私も、胸が苦しくなり辛い…目を背けたいと思いながらも、目を離すことガできなかったと記憶しています。
終盤。生き残った子は、心底喜ぶことはできませんでした。友だちの親御さんたちから、その友だちの安否について訊ねられても答えることができません。子どもに、思い出させるのは酷なことだったでしょう。
それでも、親としては【うわさ】や【あいまい】な情報ではなく、【確実な情報】を求めます。きっと大丈夫。無事でいてくれるはずだと…。
少年が膝を抱えているシーン。今も覚えています。自分が生き残ったこと、そして亡くなってしまったお友だちのことを話すことができないこと…。
深い深い傷を負ったことでしょう。
鑑賞を終え、中には泣いている子がいたり、ただ深刻な顔をして黙る子。何人かは【全然平気だった】なんて、本心なのか強がりなのかわかりませんが、そういった言葉を発する子もいました。
大人になるにつれ、【死】というものをもっと近くに感じるようになった今では、やはり観る勇気がないと思います。
でもこの作品に触れられたことは大きなこと、意味のあることだと思っています。
いくら生まれる前のことでも、実際にあった【戦争】というものの犠牲になった、兵士でもなんでもない私と同じ【いち国民で、子ども】が、たくさん犠牲になったんだと。それを知ることができました。
学校で観せてもらった映画。繰り返し観たわけではないのに、何十年経った今も心に残っています。
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