末期の肺がんで亡くなった彼が言い残した励ましの言葉に、背中を押された話

ダグさん。彼を最後に見たのは、教会のZoom日曜礼拝だった。3×4センチくらいの長方形の画面に映っていて、軽妙な話しぶりをする男性だった。7月のある日の午後亡くなった。末期の肺がんで、最期が近いということをその日の朝のオンラインの祈りの集いで聞いたばかりだった。ほとんど言葉を交わしたことのなかったダグさんは、逝ってしまった。あとにポッドキャストを残して。

私はダグさんをあまり知らなかった。ポッドキャストを簡単に再生できたのも、そのせいかもしれない。教会の牧師さんは、悲しくて「彼の声を聞くまでには何日もかかるかもしれない」と言っていたから。

彼のポッドキャスト Brave Real Loving Human Radio は、2019年6月11日に最初のエピソードが出て、5つ目のエピソード2020年3月4日が最後になっている。

最後のエピソードの中で、彼は友人といろいろな企画を話し合っていたが「あなたがよくなったら "When you’re better"」という言葉が繰り返されていることに気づいた。あなたがよくなったらそれを採用したい、あなたがよくなったら・・・」と。それはどういう意味なのか聞くと、答えはこうだった。When you are free from cancer (あなたのがんがなくなったら)。彼は語る。もちろん、僕だってそうなりたい。けれどその日は来ないかもしれない。今、僕はずいぶん一時期よりも調子がいい。どうして待たなければならないのか?

ここにきてダグさんと友人は悟る(英語の言い回しでは "The penny dropped"と言っていた)。確かに今できないこともある。でも、できることもたくさんある、と。本を書く?始めよう!ポッドキャストの編集?もちろん。何を待つ必要がある?

以下はずっとダグさんの語り。

そこで考えた。僕たちが行動に移さない言い訳の一つは、「○○」になるまで。○○の部分には何が入ってもいい。もっと健康になったら。もっと休息がとれたら。もっとお金があったら。もっと学んだら。もちろん、ことによってはそういう限界もあるだろう。

だけど、こう質問してみてはどうだろう?

今の、今この時の、自分の持つレベルの健康、休息、お金、教育で、何ができるだろう?

今自分が使えるものはなんだろう?

僕はもう、もっと何かになるまで、なんて待たない。なぜって、僕には今の自分にできることがあるから。

I may be limited, but I'm not prevented. 僕には限界があるかもしれないけど、やろうとすることを止められてはいない。

I'm curious. What are you putting off, until you are, "fill-in-the-blank"? 聞いてみたい。あなたが、「○○」になるまで、と先延ばしにしていることは何ですか?

あなたの人生で、今日か明日からスタートできるのに、遅らせていることはありますか?

If so, I invite you to join me to start. もしそうなら、僕と一緒にスタートしてください。

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このあと、彼は自分のやろうとしていることを語っていました。もしここまで読んでくださったあなたが、私のようにダグさんに背中を押してもらっていたら・・・教会の、ダグさんの名前を冠した寄付先を記しておきます。

ダグさん。声を残してくれて、ありがとう。もっと話を聞きたかったです。

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