見えていないマイノリティ
こんにちは!
LGBTQ対応コンサルタントの廣川衣恵です。
今日は「マイノリティ」という言葉から色々と考えてみました。
「マイノリティ(minority)」とは、「少数者」や「少数派」を表す言葉。
日本ではLGBTQの方たちを表す性的マイノリティという言葉でかなり浸透してきました。
実はこのマイノリティという言葉には、他にも隠れた大事な意味があります。
大事というのは、LGBTQの方たちだけではなくマイノリティ属性に入る人たちのことを考える上で大事という意味なんです。
なんと、minorityという単語のなかに含まれる「minor」という言葉には、「あまり重要ではない」「たいしたことがない」という意味があるんです。
そう!
その言葉のとおりに「重要ではない」「たいしたことがない」と偏見と差別にさらされ不当に扱われているのが、マイノリティの特徴です。
そして考えてみたいことというのが、性的マイノリティの他にもあるマイノリティの存在です。
例えば私は北海道民なので身近な方たちとしてはアイヌ民族の方がいます。
他にも障がいを持っている方たちやシングルマザーだったりシングルファザー、子育てしながら働く女性、高齢者、ヤングケアラー、ダブルケアラーと少数派に入る方がいらっしやいます。
でも、多数者であるマジョリティは、気が付かないうちにその多数が暮らしやすいように社会づくりを進めてしまうことがままあるということ。
そこに差別意識がなかったとしても、見えていないマイノリティへの配慮などは働かないし、結果としてマジョリティに属しているだけでお得で有利な環境が出来上がってしまうのです。
多数派に合わせた社会が、少数派の人たちの生きにくさや暮らしにくさなどの障壁を生み出しているとも言えると思います。
学校で何かを決める時に「多数決」を良く使いました。
多数派に軍配が上げるわけですが、この際、少数の違う意見を大切にしていたでしょうか。
少しでも取り入れて折り合う努力をしたでしょうか。
少なくとも私はできていなかったと今更ながら反省しています。
そして思うのは、多数派にいる人たち誰もが常に少数派になる可能性を持っている!
このことに気づいて欲しいということです。
明日にも事故に遭い、あるいは病気で、あるいは高齢になって障がいを持つかもしれない。
誰もが少数派になる可能性を持っているからこそ、今は多数派に属していたとしても自分と相手の間に、有利・不利の関係があるかもしれないということを意識して持ち続けることが大切なのではないでしょうか。
そして、何かできることはないかと考える。
少数派の方たちが向き合わざるを得ない不利益、不都合に気づき、どうしたら生きやすい社会になるのか心を寄せ、コミュニケーションを取る努力を重ね、関係性を築いていく。
今は明らかにある多数派と少数派の境目を薄めて重なりを増やしていく。
そうすることで初めて、ダイバーシティインクルージョン(多様性の包摂)社会ができるのだろうと思うんです。
世の中には少数派が抱える問題がいっぱいあるけれど、多数派の中にいながら少数派の問題に目を向けて一緒に考えるスタンスを持つことが、誰もが心からの笑顔で生きる未来の基礎になると思います。
「情けは人のためならず」
違いを乗り越えて誰もが互いに支え合う社会にしていきたいですね!
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