多様性を考える
「多様性を尊重する」と聞いた時、皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか。
最近は、ドラマなどでも取り上げられることが多いLGBTQです。けれど、そこで描かれていることは、大切な本質とは離れていると感じるのです。
私たちは、毎日、たくさんのことを評価、ジャッジしています。評価、ジャッジは、自分の物差し言わば価値観によって下していますが、一度、自分の物差しを振り返ってみませんか。
こんにちは!
LGBTQ対応コンサルタントの廣川衣恵です。
今日は自分の持つ評価軸について考えてみました。
赤ちゃんが生まれたら、とにかく元気に育ってほしいと願い、おっぱいを飲んでオシッコやうんちが順調に出ていれば、ひとまず安心していられます。
そして、声を出した、笑ったという小さなことが喜びとなります。
それが徐々に他の子どもと比較するようになり、学校へ行く頃には目に見える「成績」で評価するようになって一喜一憂するように変化します。
もちろん、これが親子関係の全てとは言いませんが、今の日本で少なからず見られる現象であることは間違いないでしょう。
そこに存在するだけで尊く愛しいものが、一つの評価軸でしか見られなくなった時の不幸です。
この評価軸は、子どもだけではなく大人も苦しめています。
他人と比べては、劣っていると思い、自分自身に嫌気が差したり生きることに疲れてしまったり…。
これまでの右肩上がりの経済成長時代には、一つの評価軸で生きることが効率を高めパターン化された商品や生き方にマッチしていたのだと思いますが、「安定」も「継続」も危ぶまれる時期に入って、見えないものの価値が高まっています。
学力よりも心の知能指数「EQ」を育てることが大事にされるなど、変化のスピードが速い今に対応する力はどのようなものかを考える人が増えているからだと思います。
しかし、「多様性の時代」と言われながら多様性が尊重されていると実感できないのは、凝り固まった評価軸から抜け出せないからではないでしょうか。
日々の生活で当たり前と思われている事柄を受け入れ難く感じている人たちがいます。
それを「〜すべき、〜であるべき」という固定概念(偏った評価軸)で決めつけてしまうと排除や偏見を生みだしてしまいます。
私たちは生まれ持った境遇やこれまでの人生で得た個性を一人ひとりが持っています。
そのどれか一つに着目して語られるとき、それはきっと差別と感じられるのです。
今、日本では子どもから大人まで自死される方がとても多いという悲しい現状がありますが、比較や競争、そして優劣を付けるといった評価軸から離れ、多様性や共生といった別の価値観、評価軸があることに触れる機会があったなら、違う選択肢に気づくこともできたのではないかと思います。
「~でなければならない」と決めつけるのではなく「そう思わない人もいるのでは?」と立ち止って考えてみる。こうした他者への寛容な視線と理解を育むことが、自分自身を受容することにもつながり社会に温もりや安心感をもたらすものと思います。
どうか一度、自分が持つ評価軸について考えてみてください。
新しいものを取り入れてみる。
心地良ければ不要なものは捨てていい。
どんなに長く一緒にいたものでも違和感があったら見直してみる。
思考習慣においても大切なことだと私は思っています。
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