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入院中の独り言

病室のルールブック

私のいる病室は 
退院するためのケア病棟にあり
2ヶ月近くいると
何人もの人が入っては退院していく
1日の人もいれば、2週間の人もいた
幸い多くて4名 1ベッドは空く
今もその状況だが、人によって
病室の雰囲気はかなり違う

私は病室入口の広いスペースにいて
まるで門番のよう
入退院が繰り返される度に
看護師さんが 寂しくなったねー
賑やかになったねーと私にいう

様々な人と病室を共にしてみて
思うことが沢山ある

私も話好きだけど
人のことを根掘り葉掘り聞くのは苦手
だから聞かれるのも苦手
話がとまらないおしゃべりは
人を疲労させる

私もかなりお節介やきだけど
上から目線で必要以上のお節介を
やく人は苦手
何でも仕切りたがる人は
人を不快にさせる

ベッド周りのカーテンを固く閉ざし
顔が合っても 会釈すらしない
暗い人は苦手
笑顔がない人は 人を不安にさせる

病室での付き合いは
顔を合わせれば 挨拶を交わし 
当たり障りのない会話をし 
聞きたがらない 詮索しない 
喋り過ぎない

ある時 食事中前のベッドの人を 
ターゲットに 話が止まらない
老婦人がいて
老婦人の話に 相槌を打っていた
ご婦人が誤嚥をしてしまい
咳込み苦しむという事態になった

誰が見ても 原因は食べながら
相槌を打っていたことにあるのに
その老婦人は自分が悪いとは思わず
逆に誤嚥したご婦人に
そんな簡単に別なところに
物が入るなんてと 見下していた

誤嚥は窒息もしかねない
危険があるのに
博識があります的な 上から目線の
その老婦人に言いたかったので
誤嚥は命の危険も伴うので
気を付けてくださいね! と私は
その老婦人に言わんが如く
誤嚥したご婦人に向かって言った

もう1人のベッドの方が
食事中は 話をせず
静かに食べましょうと言ってくれ
その後は 少しお喋りは減った

私のいる病棟は
内科、外科、整形外科を問わず
入院した人が 回復期にあり
退院を目指すための病棟
例えば 私の様に骨折で入院しても
他にどんな病気を持っているか
聞かなければ分からない
ましてや高齢者が多いので
それは自ずと知れたこと

入院した時には そのことを踏まえ
あたらず さわらず
余計な世話はやかず
自分の回復に努めることが
ルールである

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