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PHS

大阪で「朝の連続ドラマ 京一輪」のロケをやっていた時、初めて会社の「携帯電話」を使った。

ショルダーフォン

「ショルダーフォン」である。

通話料もバカ高く、僕は炎天下の夏のロケ(彦根の琵琶湖畔)で、チビチビと使っていた。

アナログ携帯電話の「ムーバ」
「PHS」

東京の「ドラマ班」に異動になり、連続ドラマ「オンリーユー愛されて」に付いた時は、会社から貸与された「ドコモのムーバ」と個人的に買った「PHS」(ピッチ)の2台を持って、極寒の冬、湘南の強い海風が吹き寄せる高台での深夜ロケに立ち会った記憶が痛烈に残っている。

不思議なのは、「PHS」の方が「都市部」でしか繋がらず、「電波が弱い」はずなのに、湘南の撮影現場では「PHS」しか繋がらない場所があったのだ。

浦河町の場所
北海道・浦河町
北海道・浦河町

また、北海道・浦河町のロケ地に、連続ドラマ「ナチュラル」の仕事で行った時の事。

そのロケ地では、建物の1箇所だけ、しかも「docomoのアナログの携帯電話」しか繋がらなかった。

「1セグ付き携帯電話」

「携帯電話」というものが世の中に出回り始めてから、僕は毎年「携帯電話」を買い替えていた。

ドラマのプロデューサーという稼業をやっていて、ストレスが溜まりに溜まっていたのである。

それを一台約3万円の「携帯電話」を買う事によって晴らしていた。

「1セグ付きでテレビが観られる携帯電話」を持っていた事もある。

「PHS」という代物が、僕が初めて身に付けた電話だったが、「圏内」か「圏外」か、やたら気になった覚えがある。

僕は「PHS」が「未来から来た夢の道具」の様に感じ、それを大事に使っていた。

「アナログ携帯電話」よりも「PHS」の方が「音質」は良かったかも知れない。

多分、もう「Z世代の若者」は「PHS」なんて知らない事だろう。

でもでも、僕たちは当時、「PHS」にときめいていたのである。

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