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僕のルーツへの  妄想


僕は、自意識過剰だ。
そして、頭が、おかしい。


だから、自分のルーツも、良く、妄想するのだ。


僕の死んだじいちゃんは、産まれた家の長男として、この世に、生を受けた。


僕のじいちゃんは、じいちゃんのじいちゃんと、戸籍上、血が繋がっては、いない。
じいちゃんのじいちゃんは、その名を、寿庵、と、いう。


僕んちの隣町に、後藤寿庵、という、キリスト教者の偉人が、その昔、いた。

隣町には、後藤新平、という偉人も、いた。

後藤新平は、関東大震災の時の、東京市長、だ。
その後、台湾総督、満州鉄道の総裁、などの仕事を、している。
新平は、政治家になる前は、医者、だった。
医者時代、新平に政治家になることを、強くすすめたのは、板垣退助、だと、伝えきく。


板垣は、新平の、患者、だった、のだ。


僕のじいちゃんのじいちゃん、寿庵、は、この後藤の母と、兄妹、だ、という。
新平の母と、僕のじいちゃんのじいちゃん、寿庵のルーツは、伊達家の医者だ、という。
寿庵と新平の母の、家族の誰かは、キリスト教者、だった。


伊達家は、キリスト教を、保護した。
しかし、徳川幕府は、キリスト教を、弾圧した。


伊達家は、家の医者家族を、北へ、逃した。


僕が住んでいる町の南で、その昔、キリスト者の、大虐殺が、あった。


そこで、医者家族が殺されていたら、新平や僕のじいちゃん、もちろん、僕も、いなかったのかも、しれない。


これは、本当の、僕の、妄想だ。

新平の、父は、医者だ。


この前、後藤新平記念館に行って、確認した。


新平の父と母は、医者の繋がりで、結ばれたのだ。


新平も、医者に、なった。


そして、患者、板垣退助と出会い、政治の世界に行くことを、すすめられたのだ。


寿庵は、僕が住んでいる町に、家をかまえた。
その時は、明治、だ。



ここから、戸籍が、存在する。


寿庵は、自分の家を、後妻の連れ子、に、継がせた。

僕の目には、日本家制度に批判が多くある現代でも、奇妙な行動に、映る。


明治時代だったら、訳がわからない行動だと、思う。


絶対に、何か、在るに、決まっている。


僕のじいちゃんは、それを、知って、いる。

じいちゃんは、そのことを、誰にも、言わずに、死んだ。


僕の妄想は、こうだ。


後藤新平は、台湾総督や満州鉄道総裁、などの仕事を、している。

後藤新平は帝国主義者、だったのかもしれない。
帝国主義、という急激な思想でなくとも、彼の政治的立場から言って、隠れキリスト教者の血が、自らの身体に流れていることは、否定したい事実だったのではないか、と、僕は、思う。


僕は、僕のじいちゃんが、寿庵の血の流れた、子、のような、妄想を、している。
前妻との、あいだの、子、だ。


じいちゃんから、キリスト教のはなしは、きいたことは、無い。



僕が子供の頃、じいちゃんちに行くと、勲章をいっぱいつけた年寄りの写真が、柱時計の上に額に入って、飾ってあった。


あれは、後藤新平、だ。


そんなことなど、じいちゃんの口から、聞いたことは無い。
じいちゃんちの家紋は、竹に雀、だ。


僕は、じいちゃんが、大好きだった。
今でも、
とても、逢いたい。

そして、僕が、こんな、ロクデナシであるこを、
誤りたい。



今時だと、DNA鑑定で、全て、知ってしまうの、かもしれない。



だけど、僕は、
自分の足で、僕とじいちゃん、を、




知りたい。

#創作大賞2024
#エッセイ部門

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