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犬の姿をした人間でした。

昨日の明朝、10年8ヶ月一緒に過ごしてきた愛犬が天国へと旅立ちました。ポメラニアンのオスで、クリーム色に茶色いぶちのある、とってもとっても可愛い犬でした。そんな外見と合わせて、人間の気持ちが分かるとても優しい犬だったので、今は心に大きな穴が開いてしまって少し考えるだけで涙が止まりません。ちゃんと生きた証をこのnoteにも残したいと思い、投稿することにしました。

遡ること11年、当時中学3年生だった私はペット不可のアパートに住んでいました。ちょっと記憶が曖昧なんですが、当時、天才テレビくん!が好きで、橋本甜歌(現:てんちむ)さんが犬を飼っていたんですけど、その影響で「犬飼いたい」ってなって、ペット可の物件に引っ越したんです。そこからペットショップを回って、見つけたのが愛犬でした。今でもはっきりと覚えているのは、ペットショップの小さなケージに、一際目立ってはしゃぎ回っている犬がいるな〜と思って、白くてもふもふしていてとても可愛くて。この子をここから早く出してあげて、広いところで遊ばせてあげたいと思いました。そして、家に帰って家族会議をした結果、すぐにこの子にすることを決めました。

愛犬が我が家にやってきた時、私は高校生だったので忙しくあまり遊んであげられなかったんですが、今思い出すのは、いたずらっ子だったということです。ラップを食べたり、ゴミを食べたり、草を食べたり、とにかく異物という異物が大好きで、よく動物病院に通っていました。もはや常連だったと思います(笑)

それから高校3年間、私が海外に行ったり遠出する時には、必ず愛犬もお見送り・お出迎えに来てくれました。その時に私の友達にもたっくさん可愛がってもらえたね。

大学生になり、家族でいろんなところにお出かけするようになりました。初めてドッグランに行った時、愛犬は5歳くらいになっていたので、周りの元気いっぱいな子犬たちとは違って、マイペースにいろんなところを歩き回っていました。一人行動が大好きだったんですよね。県外のペットと泊まれるホテルにも行ったりして、もともと神経質なポメラニアンにとっては、他のお客さんの話し声が気になって吠えたり、ちょっとびびりながら散歩したりとストレスがかかったかなと思うことでも、笑顔をいっぱい見せてくれたので連れてきて良かったなと思いました。

社会人になって、心雑音が聞こえるようになり、心臓が少し弱いから気をつけてあげてとお医者さんに言われました。でも当の本人は、心配になる家族をよそに、お散歩が大好きで「お散歩」というワードを出すだけでしっぽが上がって、嬉しそうに催促してきて、「僕、全然元気だよ!」と言わんばかりに楽しんでいる様子でした。

でも、今年になって、失禁したり咳き込むことがあり、何度も病院に行きました。最後の日の前日も、失禁して病院に行ったけどいろんなところが悪くなってしまっていて、一生懸命に呼吸をして、県外に住んでいる私の帰りを待っていてくれました。「ふぅちゃん、帰ったよ!」というと、しんどい中でも嬉しそうにしっぽをあげてくれた姿が、脳裏に焼き付いています。ずっと目を見開いて、絶対に閉じないように、閉じたら終わってしまう、そんな表情が続きました。

そこから4時間ちょっとして、天国に旅立ちました。最後まで生き抜く姿を見ていると、なんとかしてあげたいけどできない、言葉で言い表せないつらさで胸が苦しかったです。

心臓病を患っていた時点で、いつかこんな日がくると覚悟していたようでできていませんでした。涙が止まらなくて、感謝の気持ちが止まらなくて、とてつもなく寂しいんです。

アイコンタクトが取れて、言葉が分かって、笑顔やしんどい顔があって、泣いている時は、涙をぺろぺろ舐めてくれたりして。犬というより人間のような存在でした。

形あるものはいつか必ずなくなる。そんなことは分かっていたけれど、やっぱり現実を受け入れたくない・受け止めきれない思いが勝ってしまいます。

こういう経験をすると、もう犬は飼いたくないと思ってしまいます。ですが我が家には昨年ジョインしたポメラニアンのオスがいます。そのおかげで、悲しい気持ちも少し和らぎます。これからは愛犬の分まで家族を癒してね。

ペットは家族の一員だってよく言いますが、本当にその通りだなと思いました。しゃべれないからこそ、こっちからたくさん愛情を注いで感謝の気持ちを述べてきて、最後も看取ることができて、それで良かったと納得できると思ったんですけど、なかなか難しいですね。

我が家の歴史に名を刻んだ偉大な存在のお話でした。いつか天国でまた会えるといいな。生まれ変わっても我が家に来てね。ありがとう。

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