メーカーも悩ましい「接写への自動切り替え」の是非。破綻しているiPhoneの最悪なカメラUI

iPhoneでカメラを使う時、近くのものを撮ったら突然画面が歪んで驚いた、撮った後の画質に違和感を覚えた、そんな経験がある人もいるだろう。

これはカメラの接写自動切替によるものだ。メインカメラの大型化により最短撮影距離が長くなるなか、超広角の最短撮影距離の短さに着目し、接写モードを超広角レンズで担う。接写と判定した場合には、自動で超広角レンズに切り替えるのだ。これが画面の突然の歪みと画質の原因である。大判化高画質化の進む広角レンズと比べれば超広角レンズは劣る。

これは当初万人が驚くところだが、それほどこだわらない人にとっては、慣れてどうでもよくなる点かもしれない。しかし少し詳しい人にとってはなかなか気持ち悪い挙動だなと思う。

iPhoneの場合、この解除挙動が非常にわかりにくいのが問題だ。根本的な問題として、iPhoneはカメラ関連の設定UIが破滅的に悪い。どこに何の項目があるのかさっぱり理解しにくい。

しかも嫌がらせレベルのクソUIだ。具体的には、「マクロ撮影コントロール」設定のオンオフ。これを見たらどう思うか？「ああ、オフにしたら、自動レンズ切替がオフになるのか」と思うだろう。しかし、そうではない。これをオフにすると停止するのは、自動切替挙動ではなく「切替キャンセルボタンの表示」なのだ。つまり、制御キャンセル不能となり、強制的に自動切替しかできなくなるのだ。黙って受け入れろという最悪の体験をすることになる。

この自動切替をどうにかしたい人には、まずは正解の設定から以下に書く。

（iOSの）設定→カメラ→「設定を保持」→マクロ撮影コントロールをオフ

ここで肝となるのが「設定を保持」という階層に必ず遷移することだ。なぜなら、同じく（iOSの）設定→カメラ→の中にも、全く同じマクロ撮影コントロールという名称の設定項目が存在する。混乱を招く、本当に徹頭徹尾嫌がらせのようなUIだ。

「iOSはUIが良い」というのは嘘か郷愁である。なぜこんな酷いことになっているのか、そして連日の取材で触れた最新機種が接写時の挙動についてどうしようとしているのか以下に書く。