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人生を変えたゲーム。

私は30代前半(♂)で、二人の兄の影響で幼いころからゲームが大好きです。特に好きなゲームはサガとFalloutですが、他にもいろいろと手を出しています。家には主要ハードはすべてあり、PCもバリバリのゲーミング仕様。好きが高じてゲームショップの店員にまでなりました。

ただのゲーム好きだった私が何故職業としてゲームにかかわるようになったのか、それはある1本のゲームとの出会いがきっかけです。

社会に出て新卒1年目の賞与でxbox360を購入。当時ハマっていた格闘ゲーム『ストリートファイターIV』の為でした。PS3でも発売されており、どちらで買うか真剣に悩みましたが、その頃はxbox360版の方が通信の質がよく、有名なプレイヤーもxboxでやっているということもありxboxを選びました。この選択が後の人生を大きく変えていくとは、まだ知る由もありません。

体を壊し、新卒で入った会社を3年目の6月に退職。退職後、一気に自由な時間が増えた私は1本のゲームに出会います。

xbox360版『TESIV:oblivionです。

oblivionと出会った時のことは今でも鮮明に覚えています。初夏の頃、酒の場に行った父を迎えに行った時のことです。思ったより早く着いてしまった私は近くにあった行きつけのゲームショップに行きました。その店には店員の好きなゲームのPVを流しているコーナーがあり、その時流れていたのが『TESV:Skyrim』のPVでした。結構気になっていたゲームでしたが、当時はまだ洋ゲー経験も少なく、オープンワールドというジャンル自体もよくわからない。そんな印象でしたが、PVで見た洞くつを探索しクマを弓で撃って倒すシーン(今思うとチュートリアルイベントのところ)を見てなぜか『おっ、面白そう!』と感じたのです。

ただ『Skyrim』は発売当初ぐらいでまだまだ高く、どうしようかなと思いながらxboxコーナーを見ていたところ、目に留まったのが『oblivion』でした。

『oblivion』は『skyrim』の前作にあたり、ジャンルも同じオープンワールド。そのうえ値段は中古980円+税とお買い得プライスで、とりあえずコレやって面白かったら『skyrim』買おう!と思い購入しました。

それからは毎日oblivion漬けの日々が始まります。月額課金していたネトゲ(MHF)もそっちのけになり、毎日毎日シロディール(ゲーム内の世界の名前)の野を駆け巡り、メインクエストもそこそこに強力な武器や魔法を求めて世界中を巡り、目についたダンジョンを漁り、山賊たちをぶちのめし、オブリビオンゲートを荒らしまわりました。

はじめてのオープンワールドは本当に眩しくて、新鮮で、寝食すら忘れさせるほどの衝撃でした。ゲームにこれほどハマり、自分の中のゲーム観が大きく変わったのはこの時です。

今まではゲームは『遊ぶもの、暇な時間の暇つぶし。』程度にしか思っていませんでした。しかし『oblivion』を経てからはゲームとは『インタラクティブに体験できる一つの文化』としてとらえるようになりました。

『oblivion』にハマって数か月、シロディールではクヴァッチの英雄と呼ばれて一般人から王族まで多くの人から尊敬を集めてはいましたが、現実では失業保険も満額貰いきって収入もなくなった無職であることに気づいた私は職を探し出しました。

ただ、体がまだ本調子ではなかったため、まずは近場でバイトから…と思っていた私にある求人が目に留まります。近所にあった複合型の書店です。本も好きだしCDも好きだし、なにより大好きなゲームもあるし...よし!と思い応募しました。思えばこのころから『ゲームに携わりたい』という気持ちがあったのかもしれません。結果は無事採用、最初は特に担当もなくレジ打ちの日々でした。しかし、ある日転機が訪れます。

ダミー作成の作業中、ゲーム担当のMさんから『SHM君ゲーム好きなんだって?なんのハード持ってるの?』と声を掛けられ、『一番遊んでるのはxbox360ですね。あとはPS2とか…』と答えたところ、Mさんがとてもうれしそうに『へぇ!どんなゲームやるの?』と続けて質問をしてきました。

『ハマったのはoblivionっていうゲームですね。あとはCOD:MW2とかです。』と答えると、Mさんは嬉しそうに『oblivion面白いよね!私もアルゴニアンで遊んでたよ!』と予想外の回答をし、そこからoblivionトークに花が咲きました。

その後、Mさんからゲーム担当社員のIさんに『彼はxboxでoblivionをやりこむほどのゲーマーだからぜひゲーム担当に!』という推薦があったらしく、また、ちょうどゲーム担当のバイトリーダーが退職したこともあり、入社1か月でゲーム担当のリーダーに抜擢されました。その後わかった話では、MさんもIさんもxboxファンであり、『xboxを持っている』というだけでも評価が高かったそうです笑

その後、ゲーム担当として働きながらコアゲーマーだったMさんIさんに英才教育を受け店員としてもゲーマーとしても大きく成長します。そして1年ほど働いて体も本調子になり、同じくゲームの扱いがある他社で正社員として雇ってもらうことができました。このころには『ゲームに携わって生きてきたい』という気持ちが非常に強くなっていました。

新しい会社ではゲームに携わる仕事はなんでもやりました。仕入、値付け、中古の販売・買取価格の設定、メーカーさんとの商談…思い返せば大変なことも多かったですが、ゲーム関係の仕事は苦痛だと感じたことはほとんどありません。

あの時、『oblivion』に触れた時の衝撃を、他の誰かにも与えたい。そんな気持ちで売り場を作っていました。スタッフから『このゲームめっちゃ面白いのでコーナー作っていいですか?』と言われた時も、一切否定せずに一緒に楽しんで売り場を作ったことをよく覚えています。

とある大手メーカーの営業さんに『ここの売り場は好きな人が作っているのが伝わって大好きです。』と仰っていただき、その熱意が伝わって当時日本でも数台しかなかった某大作ゲームの体験機を置いていただいたときは心から喜んだものでした。

大げさかもしれませんが、私はXbox360を買い、『oblivion』を買ったことで人生が大きく変わりました。今では別の仕事をしていますが、あの出会いがもたらした経験・成長は今でも私の血肉として生きています。

私の大好きなゲーム『Fallout』シリーズのゲーム内ラジオで『I Don't Want To Set The World On Fire』という曲が流れます。

”I don't want to set the world on fire""僕は世界中を興奮させたいわけじゃないんだ"
"I just want to start a flame in your heart""ただ君の心に火を灯したいだけさ"

この歌詞のように、誰かの心に残るような商品を売りたい。

そんな気持ちで毎日仕事に向かっています。

私をそんな気持ちにさせてくれるのは『oblivion』との出会いと、その出会いが灯した火なのです。


#自己紹介をゲームで語る

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