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“偶然性のデザイン”がされたNサロン未来会議に酔いしれた話 | 復習

2/15夜に開催された #Nサロン未来会議 は実に刺激的だった。このnoteでは、主にコミュニティ運営の観点から復習したい。

3か月間のNサロンにおいて、僕の裏テーマは、コミュニティの主催者視点での学びも得ることである。
現職がスクールを運営している企業であり、コミュニティ視点での学びをその受講生コミュニティづくりに活かしたいと考えているからだ。

当日の未来会議自体の展開については、皆のnoteに詳しい。

以下の通り、3つの観点で学びをまとめる。

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❶フラットな関係性

ゼミ講師の黒田さんは、ご自身の活動 #議論メシ のルールの1つとして、次のルールを私たちに課した(課したという程、強くはないけれど)。

フラットな関係性
└ 年齢や肩書きに依らない
└ マウントを取らない
└ アドバイスをしない

「自分の経験」を語るのはOK。
「自分が貴方の立場ならこうする」もOK。
でも「貴方はこうすべきだ」はNG。

僕の中では「心理的安全性」という言葉で理解できた。
広く組織一般に適用したいルールだとも思う。

自分も含め、ふつう議論は仕事(ビジネス)で行うことが多いので、そこには肩書きが入ってきがちだ。
結果的にマウントを取ってしまったり取られたりするし、アドバイスやら苦言やらを言ってしまったり聞かされたりすることもある。
いわゆるビジネスマンの多いスクール側としては、多いに参考にしたい点だった。

ただ,Nサロンでは、会社名などを出さない空気になっているからか(他のサロンもそう?)、フラットな関係性が生まれる素地があると思う。
それでも、お互いを知ると、うっかりフラットな関係性から外れてしまいそうになるだろう。
今後の注意点として頭に刻んでおきたい。

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❷ライブ感を演出するツール

議論する3テーマを当日の参加者投票で決めたのだが、そのためのツールが「sli.do」。

その場で議論のテーマの被りを整理しようとする過程自体が楽しめたし、投票結果の浮き沈みが可視化されるのもよかった。
この辺りの取捨選択は、黒田さんの経験がなせる技なのかもしれない。

スライド上でQR対応してくれた点を含め、スマホフレンドリーなのも◎。
使ったことのある参加者は挙手を求められたが、目視1割もいなかったようだ。
新鮮さも相まって、LIVEならではのワクワク感が醸成されていったように感じた。

少し話を広げると、もう何年も前から音楽業界であればCDではなくLIVEが主力ビジネスになっていると聞く。
これは、その場限りの体験が求められているからだろう。
今回のNサロン未来会議もその場限りだったのだけれど、一つ違った。
中心は音楽におけるアーティスト(黒田さん)なのではなく、間違いなくその場にいる参加者だった。
Nサロン未来会議自体に、新たなコンテンツの可能性を見たのだった。

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❸偶然性の体感

黒田さんのゼミは、もちろん図ってのことだろうが、随所に即興性や偶然性が生じるように組み立てられていた。

例えば、ゼミの最後には、学校教室2個分ほどの会場の中を参加者それぞれが思い思いにゆっくりと歩き回り、黒田さんの合図でストップ。
ストップした場所の周辺にいる4人で集まって、未来会議における各自にとっての“実り”をシェアしあった。
(サムネイルの写真は、各自の実りを書いたポストイット)
誰と出会うかは偶然である。

この「ハーヴェスティング」において,僕自身が出会ったのはたまたま、同じグループでは議論しなかった3名の方々だった。
各グループの議論テーマは違ったので、議論を共有しているようでしていない。
それにも関わらず印象的だったのは、話の盛り上がること盛り上がること。笑顔。笑い声。

水Pが「マジック」と表現していたが,デザインされていることは判っても,どうデザインされているかは読み解けなかった・・・。

さて、このようなコンテンツの組み立ては、あずまん先生の言う「誤配」に通じるところがあると感じた。
曰く、

”ぼくたちの「 商品」 にはもうひとつの側面がある。 ぼくたちはそこにつねに、 等価交換以上のなにか、購入者が事前に欲望 = 予想していたものとは異なる経験を忍び込ませるように試みている。”

東 浩紀; 沼野 恭子; 土居 伸彰; 吉田 寛; 吉田 雅史. ゲンロンβ32 「運営と制作の一致、あるいは等価交換の外部について」(Kindle の位置No.139-140). 株式会社ゲンロン. Kindle 版. より

という。

有料サービスの提供者としては,出来るだけ体験・コンテンツを設計したくなってしまう。
だから僕たちは教科書も作り込むし,事前案内もバッチリする。
けれど,今回のNサロン未来会議で僕が受け取った「偶然性(≒コンフォートゾーン外?)にこそ学びがある」というメッセージは,設計するにしても,余白的なものを残すように設計する必要があることを強く感じさせた。
スクール事業で言えば,授業の場でしかない出会い、受講生同士の共有システムといったことになりそうだ。

この偶然性が「非公式活動」という,未来会議の一つの結論めいたものにも繋がると思うのだが,長くなるので,そこはまた別のnoteで。
o0(こう思わされてる時点で,手の平の上で転がされてる感じはするが,あまり斜に構えないようにしたい)

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※Nサロンのコピーでもある,クリエイションとビジネスの狭間で悶々としている方には,あずまん先生の稿を読むためだけでも価値があると思うので紹介します。↓アフィはやっていないので,ただのリンクです。

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