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感想「縛羅天~第五幕~」

ショーの写真が届いたので酒の肴に眺めつつ筆を執ります。

今回は約1年ぶりのショー出演ということで、第参幕以来の縛羅天に出させていただきました。
そんな縛羅天~第五幕~でのちひろ&ゆかりの演目についてつらつらと綴らせていただこうと思います。

まずは主催のヒロさん、ミラージュのスタッフの皆様、ショーを見に来てくださった皆様、カメラマンの皆様、ともに縛羅天を盛り上げてくださった演者の皆様、本当にお疲れ様&ありがとうございました。
皆様がいてくださってはじめて成り立ったであろうイベントですが、そんな中に私達も混ぜてくださりありがとうございます。

さて、お礼をしだすとキリがないのでこれぐらいにしておきまして、私達の話をさせていただきます。

まず今回の一番の難所だった部分のお話になります。
それは、ギリギリまでテーマが決まらなくて練習もなんとなくの流れや吊り方しか決まらずに本番を迎えたことです。
本番の1週間前になってもどんな設定のショーをするか決まっていませんでした。

当初は操り人形をテーマとして考えていたのですが、実際に必要になるであろう演出を試してみたけど上手くいかなかったり、じゃあDV系のクソ男はどうかと言えば他の演者さんとネタが被ったり、ハロウィンはどうかと言ってみれば誰かやるだろうという結論に至ったりと思いつくネタが尽く決まらずにいました。
そのうえ、私はSMショーでは基本的に凝ったストーリーまでは考えませんが、登場人物が何者なのかがなんとなく分かることと、吊り床がそこにあることに不自然さを感じさせない程度の設定には拘ってますのでなおさら紆余曲折を経ることとなりました。
で、最終的に採用されたのが「鋏を使う狂人と囚われの女性」でした。
モデルのゆかりと話し合う中でふと思いついた、鋏で服を切り裂くという思いつきから作り上げたテーマです。
今回も例に漏れず、やりたいことが先で、それに合わせたテーマとなったわけですね。

で、さあやっとテーマが決まったのは良いのですが、今度はテーマを演出に落とし込んだ練習をするにはあまりにも時間がなさすぎる事態になりました。
というのも、テーマが確定したのは最後の練習の日でした。
で、じゃあ練習最終日に必死こいて演出含めたリハーサルをしてたかと言うとそんなことなくて、何してたかというと吊り方の改善でした。
吊りに急遽問題が発生したんですよ。
それまでの練習では問題なかったのが、ちょっとした縄の掛け方、留め方、結び方の違いで受け手に耐え難い痛みを与えることが分かりまして、その安定化に注力せざるを得なかったのです。
そんな状況でしたから、ただでさえ少ない練習が緊縛にばかり時間を取られてしまいショーとしての要素にはほとんど時間を割くことができませんでした。

そんな状況でしたので、私の中では新しいことよりも過去の経験の集約という方向でショーを作り上げることにしました。
今回のテーマを軸に自分が今までやってきたSMショーで比較的評判の良かった部分は何か、私の演じやすいキャラクターはどんなものかという要素を掛け合わせて演出を考えていきました。
しかし、それでも30分という持ち時間を使い切れるだけの演出が思いつかなかったのです。

そして迎えた本番当日、私は緊張とストレスで前日からお腹を下しており、当日も3つ前の演者さんのショーの終わり頃に現地入りするほどでした。
家のトイレで必死にショーのことばかり考えていたのが、現地入りしてからの90分はそれ以上に必死でした。
どんな演出が印象的か、変態の狂人らしい動きはどんなものか、尺の余りをどうするか、そもそもショーの始まりはどうするか等、頭の中はずっと自分達のショーをどう仕上げるかでいっぱいでした。

で、ついに本番。
正直に言えば、アドリブにアドリブを重ねに重ねました。
練習や打ち合わせにはなかったこともたくさんしました。
全体的にねっとりといやらしい動作をしたり、座らせて尻を蹴ったり、ビンタしたり、頭を踏んだり、顔を手で掴んだり、首を締めたり、太腿を噛んだり…etc
モデルのゆかりは本当によく受けきってくれたと思います。
SMショーのモデルも初めてで、大勢に見られる中で、打ち合わせになかった責め苦もあったにも関わらず、音を上げずに最後まで受けきってくれました。
正直ショーが終わった後に何を言われても文句言えないなっていうことをしましたが、それでも全部受けきってくれました。
だから、ゆかりあっての今回のショーだったのは間違いありません。
終わってみれば私のやりたいことややらねばならないことを全てを受けきってくれたゆかりのおかげで成り立ったショーでした。

今回は時間もなければ予算もなかった中でのショーとなり、SM以外の要素を入れることができませんでした。
知ってる人からすれば、ちひろといえば外部の人間を呼んで変なことやってるみたいなイメージがあるだろうなっていう自己認識の中で、それができない制限があったからこそ原点回帰したショーとなりました。
今回のショーは、私が初めてやらせていただいたfetish bar undenyでのショーを思い出して懐かしさを感じながら演じたショーでした。
と同時に、初めてのショーにも関わらずほんの一部分だけとはいえ某貴公子と呼ばれていた人に褒めていただき、そのアイディアをリスペクトしてもらえた感動が私のSMショーへの原動力にあることを再確認した機会となりました。

とまあそんなわけで、これまで関わってくれて私を成長へと導いてくださった皆様と、私自身の積み重ねと、モデルのゆかりのおかげで出来上がったショーだったわけですが、全ての人にありがとうを申し上げたいと思います。
ありがとうございます。

最後に、今回のモデルを引き受けてくれたゆかりへ。
本当にありがとう。

以上。

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