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【前編】Nikko Open Innovation Labが見据えるミライとは? ~証券×メタバースの可能性 ~

証券会社という枠にとらわれない発想で、新規事業をつくりだす。

SMBC日興証券には、新規事業の創出を目的として2020年に創設された「Nikko Open Innovation Lab(以下、NOILノイル)」という組織があります。
 
デジタル技術の発展や少子高齢化等、目まぐるしく環境が変化し続ける時代。私たち証券会社は、お客さまにどのような付加価値を提供できるのか。
NOILが新たな可能性を見出したのは「証券×メタバース」の融合という、証券会社としては未知の分野でした。

今回話を聞いたのは、NOILのメンバーとして新規事業案の企画から実行、運営までを担う鈴木さん、熊丸さん、大木さん。

メタバース上で開催される世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」に証券会社として初めて出展(2021年12月)。そこから2度の出展を行って、見えてきたものとは…。

― 舞台裏に迫ります!

株価連動ジェットコースター(バーチャルマーケット2021 Winter)

「バーチャルマーケット」とは
株式会社HIKKYが主催しているVRクリエイターによるバーチャル空間の祭典で、世界中から100万人以上が来場する世界最大級のVRイベント。メタバース上にある会場では、アバターなどの3Dデータ商品やリアル商品(洋服や飲食物など)の売り買いができる。
SMBC日興証券では、2021年12月、2022年8月と2回連続で出展。2022年12月に開催された「バーチャルマーケット2022 Winter」では、SMBCグループの一員として参加しました。


証券会社がどうしてメタバースに?

鈴木  仁也(NOIL)

―まずは、メタバースに着目したきっかけについて教えてください。

鈴木:最初のきっかけとして、SMBCグループのオープンイノベーション拠点である「hoops link tokyo(フープス・リンク・トーキョー)」でのアイデア会議がありました。コロナ禍以降のお客さまのニーズの変化やデジタルの普及などについてメンバーと一緒に考える中で、証券会社にも“バーチャル空間”の活用という発想があれば、おもしろいことや証券業界・当社の未来につなげることができるんじゃないかという話になったんです。

熊丸:コロナ禍で実際の店舗に行けなくなった時、デジタルやメタバース空間を活用してモノやサービスを購入することが増えましたよね。だったら、それは金融にも同じことが当てはまり、メタバース空間に当社のような金融機関があっても良いのではという仮説がありました。
そういったお客さまの動向の変化というところもベースにあります。

初出展で大反響「株価連動ジェットコースター」

―かなりインパクトのある斬新なコンテンツですね。どのような発想で企画されたのでしょうか?

鈴木:NOILでは、”Out of the box”(既存の枠にとらわれない)という考え方のもと、先ほど熊丸さんからもお話があったように、お客さまの視点や動向を大切にしています。そこで、証券や投資に馴染みのない方にもワクワクしてもらえるコンテンツについてアイデアを出し合っていた時に「テーマパーク」というキーワードが浮かびました。
 
さらに、ダイナミックな相場変動を「ジェットコースター」に乗って体感できたらおもしろそうじゃない?という発想から生まれました。お堅いイメージの会社だったけど、こういうコンテンツをつくるんだ!というようなポジティブな反応がたくさんあり、うれしかったですね。

投資を学べる参加型の「ミステリーダンジョン」

ミステリーダンジョン(バーチャルマーケット2022 Summer)

―2回目の出展は「お化け屋敷」が舞台。ジェットコースターとはまた少し違ったコンテンツですね。

鈴木:初出展のジェットコースターは、エンタメ性に振り切った直感型コンテンツでした。2回目の出展では、テーマパークというワクワク感はそのままに、さらに「学べる」という要素を強めたいという狙いがあったんです。その結果、出題される問いに対して自分で解答を出しながらゴールを目指していくという参加型コンテンツになりました。
 
―初出展の時と比べて、何か変化や気づきはありましたか?

熊丸:クイズに答えながらバーチャル空間を歩いてまわる参加型コンテンツになったことで、最初のジェットコースターと比べると来場者さまの滞在時間が倍以上に増えました。
楽しんでいただくことはもちろん、自分から情報を取りにいく仕組みをつくったので、より長い間ブースに触れてもらいながらじっくりと学べるコンテンツになったと思います。

熊丸 信也(NOIL)

―もうひとつのコンテンツ「メタバイス」についても教えてください。

熊丸:「メタバイス」とは、「メタバース」と「アドバイス」を組み合わせて当社が作った造語で、バーチャル空間上の投資相談窓口のことです。投資に馴染みがない方にとっては、実際の証券会社の窓口に行くのは少し緊張してしまうこともありますよね。でも、アバターを通せばもっと気楽に質問をしたり、会話したりすることができるのではという発想が始まりです。
 
来場者さまから「話しやすかった」、「普段対面では恥ずかしくて質問しづらいことも、アバターを通してであれば不思議とお話できた」といったお声をいただいたり、逆に当社側でも「新鮮でおもしろかった」という担当者が多かったりしました。テーマパークのように楽しみながら、メタバイスでは投資のより深いところに触れていただくことができたのではと感じています。

バーチャルマーケットで感じた確かな手応え

―2度の出展を通して、来場者の反応やSNSでの反響はどうでしたか?

鈴木:これまで比較的接点の少なかった若年層の方々を中心に、来場者さまからは「おもしろかった!」、「発想が天才的!」というようなうれしいお声をたくさんいただきました。SNSでの反響に関しては、大木さんがこまめにチェックしてくれていましたよね。

大木 瑞紀(NOIL)

大木:そうですね。来場者さまが私たちのコンテンツやブースについてTwitterなどでたくさん投稿してくださって、すごくやりがいがありました。「SMBC日興証券のフォトスポットに遊びにきました!」みたいな実況を見かけたり、あとは私たちもバーチャル空間に入ってお客さまと会話をする中で、「楽しかった!」というお声を直接いただいたりもしましたね。

イベントの開催前は、どれだけ認知してもらえているのか、なかなか反応が分かりづらかったり、少し不安な部分もあったりしたんです。でも、いざ当日を迎えるとすごく盛り上がりを実感できて。お祭りみたいにいろんなブースを見てまわる方々ともたくさんお話ができて、私たち自身も楽しんでいましたね。
 
鈴木:バーチャルマーケットはとても良い経験の場であり、挑戦の場でもあります。満足して終わりではなく、イベントを通して楽しんでくださったお客さまに「よし、実際に投資にチャレンジしてみよう!」と行動していただくには何をするべきか。

今後も一丸となって、よりワクワクでき、よりお客さまのお役に立てるような仕掛けやアイデアをどんどん具現化していきます。

編集チームあとがき

イベントの反響に満足することなく「実現に至っていないアイデアもまだまだたくさんあるんです」とお話されていたみなさん。和やかな雰囲気の中に垣間見える、その貪欲な姿勢と表情がとても印象的でした。

このモチベーションやチームワークは、どのようにして生まれるのか。
【後編】では、NOIL誕生のルーツから展望まで深く掘り下げていきます!


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Nikko Open Innovation Labでは、メタバースへの取り組みのほか、様々なプロジェクトに取り組んでおります。
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