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ストロングゼロと土曜日と平家物語

今酔っ払っている。自由気ままな休日。

20代の前半の頃は、一日家にいると体がむず痒くなって、居ても立っても居られない気持ちがしていた。多分、若い可能性のようなものが擦り減っていくことを恐れていたのだろう。

30歳になってからは、一日のんびりすることも平気になった。むしろ、体力的にも精神的にものんびりしないとやっていけないと思うようになってきている。成長なのか退化なのかわからないが、10年で人は随分と変わるものだ。

一時期SNSでストロングゼロ文学というのが流行ったが、この日記もその亜種かもしれない。酔うと人によっては、明るくなったり、多弁になったりする。今酔いが冷めかけており、なんだか日記を書きたくなった。

平家物語というアニメをAmazon Primeで見ている。これがかなりの傑作でどハマりしてしまった。

もともと平家物語の冒頭が好き。この冒頭は仏教的な世界観に基づくものだと思われるが、人間社会の、この世の真理を表していると思っている。

祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ

本作品、まだ途中までしか見ていないが、栄華を極めた平家が少しづつ、凋落し、滅びていくさまを現代風に、丁寧に描いている。絵も、そして音楽も美しい。

高校生の頃から何かが滅んでゆく様を見るのが好きだ。

太宰治『斜陽』、塩野七生『コンスタンティノープルの陥落』「ゴッドファーザー2」、「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」「ヒトラー最後の12日間」大河ドラマ「新撰組!!!」など。(他に似たような作品があれば教えてください!)

面倒臭い自己啓発書や、クソみたいなYoutuberが御託を並べても、800年近い歴史には敵わない。滅んだものにこそ、リアルがある。

生まれては、年をとって、病気になって、死んでゆく、まさにこれが唯一正しい真理(→胡散臭い言葉ですまぬ)である気がする。

そして、無常を所与のものとして生きていくことこそが我々日本人の美学であると考える。


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