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灯台のぼる記 #1 紀伊日ノ御埼灯台
灯台、のぼってみたくないですか?
意外とあるよ!のぼれる灯台
燈光会のHPによると「のぼれる灯台」は全国に16基あるそうです。
厳密に言えば、「内部に入り、らせん階段等を経由して踊り場(デッキの部分)に出られる灯台」のことを「のぼれる灯台」と表現しているようです。
別の言い方で、「参観灯台」とも言います。
この16基ののぼれる灯台は、原則として毎日参観が可能な灯台、というような意味合いだと思われます。
が、それ以外にも各地の灯台で一般公開イベントが行われていて、「夏の時期の土日に公開されているもの」「1か月に一度公開されているもの」「年に1日だけ公開されるもの」など様々あるようです。
わたしが把握しているところでは、このような感じ↓
今回は「紀伊日ノ御埼灯台」へ
さて、今回ご紹介するのは、上述ののぼれる16灯台には入っていないものの、定期的に一般公開されている灯台です。
その名も、紀伊日ノ御埼灯台。
和歌山県日高郡日高町にある、紀伊水道を臨む灯台です。
ネットで調べてみると、月に1度、第3日曜日に一般公開を行っているとのことでした。
イベント名:紀伊日ノ御埼灯台の一般公開
実施日:2021年9月19日(日)(2021年9月から毎月第3日曜日)
時 間:午後2時30分から午後5時30分
場 所:紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県日高郡)
入場料:無料(ただし、清掃、安全管理のため寄附金700円)
概 要:2021年9月からNPO法人日ノ岬・アメリカ村が毎月第3日曜日午後2時30分から午後5時30分までの3時間、灯台の見学解放を実施します。
寄附金700円(実質入場料なので、きっちり徴収されます)はちょっと高く感じますが、月に一度のチャンスですから、ここはお金を惜しむところではありません。
ある日曜の午後、時間ができたので行ってみることにしました。
<アクセス>いざ南へ
大阪から車で2時間少々。
高速を降り、途中から海沿いの道を走っていきます。
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狭い山道をくねくねと上り、ほどなくして灯台とご対面。
なお、この写真の手前に無料の駐車スペースがありました。
一般公開日以外にも開放されているかは不明。
<外観>ピチピチの若灯台を眺める
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真っ白な塔が美しいです。
断面は八角形。
上に行くにつれて少しずつ細身になっています(上の写真は広角レンズなのでいささか誇張気味です)。
ずいぶんと綺麗だなと思いましたが、それもそのはず、こちらの灯台はまだ建てられてから10年も経っていません(詳細は後述)。
灯台の高さ(地面から塔のさきっぽまで)は約17メートル。
ただし、この灯台が立つ場所自体が切り立った崖の上であるため、灯台の光は海面から120メートル以上の高さになります。
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銘板を見てみます。
初点灯は1895年。
実に130年近くも前からここで行きかう船を見守ってきました。
ただし、現在の灯台は3代目です。
1895年に運用を開始した初代は木造の灯台で、今よりも崖をくだったところに建っていました。
戦争の空襲で被害を受けたために取り壊されたとのこと。
その後2代目の灯台が1951年、現在よりも東側に建てられます。(下写真)
しかし、その場所では地滑りのおそれがあることが発覚したため、2017年に現在の位置に移転し、3代目灯台が建設されました。
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なるほどそれでこんなに新しいわけです。
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ちなみに、初代、2代目の灯台はどちらも解体されてしまいましたが、2代目の灯台で使われていたレンズは、カナダミュージアムで見ることができるらしいです。
今回は閉館時刻に間に合わなかったため、泣く泣く断念…。
<眺望①>灯台は近畿の海の玄関口
それでは、実際にのぼってみましょう。
入り口でスタッフの方に700円を手渡して、中へ入ります。
なお、記念にと、手ぬぐいをいただきました。
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中はらせん階段になっています。
のぼる時に時計回り。
狭いので、すれ違いは気を遣います。
足元に気を付けてのぼりましょう(実際は帰りのほうが緊張する)。
階段は35段ありました。
数字だけ見ると大したことないですが、らせん階段は左右で違う歩幅になるので、普通の階段より疲れますね。
階段のあとは、12段のさらに急な階段、というか、はしご。
手すりがついているので、ありがたく使わせてもらいます。
ひぃひぃ言いながら、踊り場に出てみました。
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階段を上りきって踊り場に出ると、まず飛び込んでくるのがこの景色。
ごつごつとした岩が海岸線に突き出ています。
海のすぐそばから切り立った斜面が続いている様子がよく分かりますね。
おかげで、灯台自体の高さは控えめなものの、海を見下ろすと高さを感じます。
この日は潮風も控えめで、気持ちよく景色を堪能できました。
![](https://assets.st-note.com/img/1658404467632-XQpAec4Abq.jpg?width=1200)
西の方向には島が見えます。
およそ20km先にある、徳島県の伊島です。
この間に横たわる海域が紀伊水道です。
なお、ことし6月には冒険家の堀江謙一さんが、ヨットでの単独無帰港太平洋横断を世界最高齢で達成したことで話題になりました。
そのときゴールラインとして設定されていたのが、今のぼっている紀伊日ノ御埼灯台と、伊島にある伊島灯台を結んだ線だったそうです。
この海は歴史的現場だったんですね。
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<眺望②>大先輩の名残も見えます
紀伊水道から視線を下に転じると、建物の土台のようなものが見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1658405062903-1l62CtzDrx.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1658405078945-AJcFNDAXOp.jpg?width=1200)
これは、初代の灯台が建っていた場所だそうです(踊り場にいたガイドのおっちゃんが教えてくれた)。
今より海に近い場所にあったことがわかります。
強い潮風にも耐えて、道しるべとしての役割を担っていたのです。
先ほど、この初代灯台は空襲によって被害を受けたと書きました。
案内板によれば、全焼だったということです。
大阪や神戸の街から遠く離れたこの場所が爆撃を受けるの?
と最初は疑問でしたが、武器や人員を輸送するために今も昔も欠かせないのは船舶。
灯台を破壊することで、関西の主要な港への出入りを防ごうという意図だったのでしょうか。
<眺望③>灯台の心臓部「レンズ」は小さめ?
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踊り場から背伸びをして後ろをのぞき込めば、灯台の命ともいえるレンズを見ることができました。
複数のレンズがついていますね。
このレンズは、約40km先まで光を届けることができるそうです。
素人判断ですが、そこまで大型の灯器ではないように見えますが、はたして。
このあたりは、いろいろな灯台にのぼってみて知識を蓄えるしかなさそうです。
ちなみに、のぼれる灯台は基本的に昼間しか開いていません。
そのため、灯台めぐりをしていても、灯台が仕事をしている(光を放っている)ところを見る機会はあまり多くありません。
ちゃんと夜の姿も見に来なきゃなぁ、なんて思ったり。
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おわりに
「灯台のぼる記」、初回は和歌山県の紀伊日ノ御埼灯台を訪ねました。
のぼってみたら結構楽しかったので、気が向いたらシリーズ化します。気が向いたら、ですが。
<資料>おまけの写真たち
![](https://assets.st-note.com/img/1658407073453-4jh30sE2n8.jpg?width=1200)
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![](https://assets.st-note.com/img/1658407020121-2eb373ylQK.jpg?width=1200)
「妻長女三女それぞれ啼く千鳥」
<写真>
EOS M6 Mark II + EF-M11-22mm, TAMRON 16-300mm B016)
GoPro HERO10
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