バブル崩壊時、富裕層の資産隠しスキーム③~偽装離婚!タンス預金急増理由~

証券会社の担当者にワラントをダマテン(勝手に売買される)され、数億円の損がでたXさんの家に預かり書を新担当上海君が回収に行く。
証券会社に皆さん預けてたお金、数億円が0円になったのです。
当たり前ですが、クソ証券会社担当に会うわけありません。

ただ当時は2000年前後、
バブルの名残もあり、似たようなことはよくありました。
バブル時代、証券や銀行で確実に儲かりますと客に勧誘が普通!
今なら確実に訴訟で証券会社が負けで担当者首です。

■毎日訪問して150日程度ですかね、初めてドアが空きました。
Xさんの奥様がドアを空けてくれました。
水でもかけられる、物が飛んでくる程度は覚悟してましたが、
そんなことはなく世間話が始まりました。
当時は1日100件以上飛び込んでいた、
名刺か成果を出さないと支店で詰められる。
営業時3年間で水を2回くらいかけられる、警察呼ばれたのありました。


1か月して仲良くなり、当時は真面目そうで貧しい身なりで前歯もかけていたので、同情されたのか昼ごはんがでてくるようになりました。

■いろいろありましたが税金ネタnoteなので削除します。

Xさんは地元の名士。田舎育ちの私とは違う、洗練された品の良さ、
センスをご夫婦から感じました。初対面時の会話です。

Xさん「上海くん、君の会社を訴えようかと思っている」

上海「好きに訴えてください。それは私が決めることではありません」

Xさん「え?、君何しにきたの」→かなり呆れ気味に言われました。

上海「預かり書を回収してこいと課長に指示されています、その預かり書を返したことは売買を認めたことになります。ですのでXさんは預かり書はお返しにならなくても問題ありません。」

Xさん「そうか、君は返してくれとは言わないんだね?」

上海「ええ、どっちかというと訴えてほしいです。支店長や課長が本社に隠しているので、本社で問題になります。そうすれば私も解放されますのでそうしていただけると助かります」

Xさん「なるほど。君は馬鹿正直ものだね。」

上海「前任がご迷惑をおかけして申し訳ありません。もう当社で取引してくれとは一切言いません。縁を切っていただいた方が良いかと思います」

Xさん「いやいいよ、むしろそう言ってくれる方がこちらも気兼ねしなくてよい、夕飯でも食べていかないか?」

上海「ありがとうございます」

まあ、そんな感じでXさんとは何回か夕飯を食べました。
奥様にもカレー、お好み焼き、お汁粉等をごちそうになり可愛がられました。Xさんご夫妻は娘さんが都心に住んでいて、息子さんはいなかったので、物珍しく可愛がってもらえたのでしょう。

■Xさんを引き継いで8か月後
Xさん「実は上海君、会社をたたもうと思っている」

上海「ええ、なんでですか?帝国データの調査見てきましたけど会社黒字でしょ」

Xさん「会社の業績も知ってるんだ」

上海「ええ、Xさんの年収も高額納税者名簿で把握してます」
→当時はまだ高額納税者名簿という物がありました。
名前、おおまかな住所、納税額が公開されてました。我々証券会社や銀行の連中はお金持ちを狙って営業をかけてました。
会社にそのリストがありましたので当然ピンポイントで営業してました。

Xさん「金融屋さんは我が家はよく見えているんだね」

上海「はい、大金持ちのXさんという認識しかありません」

Xさん「上海君、実はそうじゃないのよ、実際は火の車なんだよ」

上海「ええ~、どうしてですか?」

Xさん「不動産を30億程度で会社で購入した、今の値段にすると13億程度かな、会社は純資産が12億あるけど含み損を考えると実際は債務超過、私の個人資産もほとんど担保に取られていて、銀行にも追加担保を求められている、多分この家もとられるだろう、本業は黒字だけどね。」

上海「そうなんですか」

Xさん「だから株を買う金もないし、君に来てもらうのも悪いから明日からもう来なくていいよ。預かり書はまだ返したくない、私から君の会社の本社に電話をしてあげる。」

上海「はい、でもXさん、銀行から逃れる方法もありますよ。
実は私、もっと大手の金融会社に行きたいと思っていろいろ税制について勉強しています。鬼手を提示してもいいですか?担当者ですから話聞いてもらえません?」

Xさん「何を言い出すんだ、そんな都合の良い方法あるのか?」

上海「ええ、ただし、今から非常識なことを言います。
絶対に怒らないでください。」

Xさん「いいよ」

上海「奥様と離婚してください、そして別の場所に住んでください」

Xさん「君何を言い出すんだ!」

上海「怒らないでくださいね、慰謝料は非課税です。離婚したことにしてXさんの老後の資産と家を奥様に移せばよいだけです。」

Xさん「そんなカッコ悪いことできるか」

上海「いや、皆さんよくこのスキーム使われてます。
知り合いの税理士、弁護士から教えてもらったんです。
都心の富裕層では当たり前のように行われてますよ。
私はバブル時に貸した銀行も悪いと思ってます。
話だけでも聞いていただけませんか?」

Xさん「・・・・・」
Xさん奥さん「上海君、聞かせて。貴方の大声が聞こえて気になってきてしまった。上海君に怒るのは可愛そうだと思う。この子必死な顔してる。
相当びっくりしたでしょ。上海君。ごめんね。この人が怒って。」

■Xさんご夫妻に説明した当時流行したスキーム
①慰謝料は非課税。

数十年寄り添った、こういった夫婦が離婚して老後必要な資産を移す際に税務署も1~2億円程度なら黙認してました。

→ただし今まで税金をきちんと納めていた人に限る。

②旦那様名義の担保に入っていないマンション、
ない場合は老後に住むのに手ごろなマンションを買う。
購入後、離婚時に奥様に贈与。当時で7~8割減の資産圧縮効果あり。
5000万円程度のマンションが1300万円程度の評価になった。

③離婚時に奥様にマンションor家+現金を慰謝料として払う。
二人は当然表面上は住民票も移し別居。

④担保に入っていない現金、預金を引き出す際に、まれにもめることがあり、もしくは会社から社長個人に数千万円貸し付けをする、
この時に大抵もめるので弁護士の同行は必須。
ただ当時の金融機関も数千万円程度の会社から社長への貸付は、こういったお年寄り夫婦の場合、見逃していた感もあります。

⑤奥様に離婚で贈与でる枠を超えている現金をもっている場合は子供、孫に生前贈与する、もしくは孫の学費、医療費を払う。
当時は孫への学費は今よりもいい加減でした。
孫の学費、医療費を払う誰も申告せず、非課税が普通でした。

⑥で、上記でも収まらない現金がタンス預金になりました。
だって銀行に預金していたら、差し押さえされるんだもん。
税務署は普通に税金払ってる人には調査には入りませんし、
現金がでてきても何も問題になりません。
てな感じで奥様がセキュリティのしっかりしたマンションに住んで、金庫が何個もあり、そこに旦那さん名義の大量のタンス預金があるなんてことよくありました。この預金は時間をかけて、生前贈与されていきます。

■Xさん夫妻の結論
離婚されました。
奥様が旦那さんを説得する、女性って強いなと思いました。
離婚されても普通に毎日お互いの家を行き来して、お会いされてました。

奥様が住民票を移し、Xさん個人で保有するマンションに住む。
Xさんの個人預金、担保に入っていないゴルフ会員権、美術品、車等を処分、会社からXさんに5000万円を貸し付け(5年で返済)
奥様:マンション+1億円の預金
娘さん、お孫さんに一人500万円生前贈与

■Xさん夫妻のその後
不動産を買われたのがバブル崩壊後90年代中~後期でした、
そこで欲を出したのがよくなかったとXさんは悔やまれていましたが、
娘さんの旦那さん(有名企業勤務)が戻ってきてから会社は立ち直り、
まあ本業は黒字でしたし、今も存在してます。

娘さんが美人で、旦那さんも美男で私より12歳程度上なのにビビりました。
このレベルで当時倒産させていたら、ほとんどの会社が倒産してましたね。
やはり、下げ相場を買うのは難しいと思いました。

若手証券マン、上海摩天楼君のその後
預かり書は回収してくるも、
この時に裏で絵を書いているのが金融機関にばれる。
→Xさんが上海君に弁護士を紹介して貰ったと言っていたのを聞いていた金融機関の支店長が、当時の勤務先の支店長と懇意でした。
支店長室に呼び出させる。

私のその後は皆様の反響次第で続編書きたいと思います。









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