『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』の話をしたすぎるので、少しでもプレイ人口が増えることを願う文
2022年10月21日、Nintendo Switchで人気ロールプレイングゲームの『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が発売されました。
このゲームが大変素晴らしかったので、文(ふみ)にしたためることにしました。
ちなみに、以下の文はシナリオのネタバレはありませんが、未プレイの方で、情報を入れないようにしている人は読まない方が良いと思います。
参照:『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』公式ホームページ
https://p-ch.jp/remaster/p5r/
ざっくりと、ゲームソフトの紹介をします。
『ペルソナ』シリーズは、ダークでサイバーパンクな世界観でファンを魅了し続けている『真・女神転生』シリーズの派生作品なのですが、海外レビュースコアだけで見れば、本家よりも評価が高い作品を輩出するシリーズに成長しました。
他の『真・女神転生』シリーズと異なる『ペルソナ』シリーズの特徴は、世界で崇められる「神」や「悪魔」といった神秘的な存在を「人間のひとつの人格」と表現し、それを物語の核として設定しているところです。
私は、数多くの『真・女神転生』シリーズをプレイしてきましたが、『ペルソナ』シリーズは、さほど食指が動かず、『ペルソナ3』以降はプレイしてきませんでした。
その理由は、恥ずかしい気持ちにさせられてしまう青春群像劇が苦手だったから。
『ペルソナ』は、高校生を中心とした登場人物が自らのトラウマに対峙してそれを克服する演出が多いので、照れくさくなるセリフや、青さほとばしる感情表現を目の当たりにする機会が多いのです。
10代から20代までの私は、「そんな(恥ずかしい)気持ちになるのは日常生活だけでいいだろう」と考えていたので、素晴らしい作品と理解していながら、プレイヤーとしては敬遠し続けてきたのでした。
さて、ゲーム関連業から引退し、結婚し、3人を子育てし、経営者になり・・・とライフスタイルが大幅に変化した現在の私。
せわしない日々の中、「恥ずかしい」という感情はどこかに置いてきてしまいました。
そんな折、たまたま放送していたNHKの「ゲームゲノム」で『ペルソナ』の特集を見て、しかもシリーズ最新作の『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』がNintendo Switchで発売されるというので、何気なく手に取ってプレイを開始しました。
今思えば、私が一連のパブリシティ活動で狙っていたターゲットだったんでしょうけど・・・
そこからは、言わずもがな。『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』の物語に没頭。
睡眠時間を削って夢中で130時間プレイして、早々にクリアまで漕ぎつけてしまいました。
自分でも、こんなにハマるとは予想外です。
一体なぜ、こんなに楽しめたのか?
『真・女神転生』の世界に何を求めているかわかった
これです。
私が『真・女神転生』に求めている「人間の力強さと弱さ」を作品全編で描いているタイトルだったからです。
個人的に『真・女神転生』シリーズは『真・女神転生3 -NOCTURNE-』以降、主人公が「神」と「悪魔」に近づき過ぎてしまった印象があり、正直なところ、プレイヤーとして置いてけぼりを食らう場面もしばしばありました。
例えば、作中で人の生死に関わる選択肢が表示されたとしても、自分自身が「神」なので、非人間的な行動を選択することに葛藤が生じない。
それこそが、『真・女神転生3 -NOCTURNE-』でプレイヤーが味わえる異質な体験ではあるのですが、個人的にちょっと寂しかったんですね。
きっと、人間として葛藤したいんですよ。私は。
神や悪魔が跋扈する現実世界で、か弱い人間としてどう生き抜いていくか。人間として、神や悪魔とどう関わっていくのか。そんな人間ならではの葛藤を描く作品がたまらなく好きで、『真・女神転生2』や『真・女神転生STRANGE JOURNEY』、『デビルサマナー ソウルハッカーズ』が心の中のベストゲームとして君臨しています。
『真・女神転生』シリーズを楽しんでいる人なら、上の感想で伝わると思いますが・・・私はいつもNルートを選択しています。笑
『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』は、生きづらい現実と無慈悲な異世界のはざまで、人間として苦悩する青年たちの成長を描き切っており、私が『真・女神転生』に求めている「人間としての葛藤」が詰まっておりました。
本作のシナリオはそんな私にとってグッとくるものがありました。
ネタバレを避けるため、あえて解説は割愛します。
ちょっとでも共感できそうな方は、できるだけ下調べせずに遊んでみてほしいです。
メガテンフリークなら分かってくれそうな良いところ・7選
さて、シナリオ以外で、具体的にどの辺が良かったか。
ざっくりとまとめてみます。
シナリオも演出も「劇場型」で刺激的。ドラマを見るように楽しめるのはシリーズ初なのでは? 現代の東京というリアルな作品の舞台とも相性が良い。
「会話」で反抗的な態度をとるシャドウに威嚇射撃をすることで、強制的に有利な状況を作り出せる。敵に対して「威圧的に接する」ことが良しとされており、古き良きメガテンと同じ感覚で会話を楽しめる。
パーティを強化できるアルカナを宿す人と仲良くなることができるが、付かず離れずの距離感で描かれる。サブキャラクターに対して過剰に感情移入する必要がないので、ゲームとストーリーに集中できる。
人間の死が身近なものとして登場する。「死んだように見せかけて結局死んでなかった」という予定調和がない。最近の漫画やアニメも、この流れがスタンダードになってきてますね。
つらい境遇の主人公を信用してくれる仲間と出会える。自分の子供にもこんな友達ができたら良いな〜と思えた。これは、独身時代の私にはわからなかったであろう感覚。
BGMがとにかく秀逸。プレイしていない時でも頭の中で作中の音楽が流れ出す中毒性がある。目黒将司さん、最高に良い仕事されてます。激しい戦いで素敵な音楽が鳴り響くの、『ペルソナ』と『ベヨネッタ』の発明だと思う。笑
「主人公が最高に格好よくてモテる」という扱いなので気持ちいい。これは『ペルソナ』シリーズの伝統かも。NPCから「お前、無口だな」って言われるロールプレイングゲームは何故か良作!
以上です。
シリーズのファンで『ペルソナ』シリーズをなんとなく敬遠していた人にこそプレイしてほしいタイトルです。
Nintendo Switch版がリリースされて誰でも遊びやすい環境が整いました。
『ペルソナ』とご縁がなかったあなたも、これをきっかけにぜひ!
〜『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』の話がしたすぎる荒木より〜
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