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新規事業の経験者が社内にいない場合の対応策

新規事業開発は、「新規事業に向く資質」を持ち、「新規事業の経験」があり、「新しい何かを創りたい」内なる衝動がある人をリーダーに据えましょう。
新規事業の失敗例のおよそ半数は、不適切な人を新規事業リーダーにしたことが失敗の原因と言われます。最もやってはいけないのは、保守本流事業で優秀な人材を、様々な経験を積ませたいという理由で新規事業リーダーに抜擢することです。
新規事業に向かない資質を持ち、新規事業の素人で、何か創りたいわけでもない人をリーダーに据えてしまうと、その時点で9割9分、新規事業は失敗に終わります。逆に言えば、適切な人をリーダーに据えることができれば、新規事業の成功率は高まります。

新規事業を検討する企業で、よく耳にするのが「新規事業を任せられる人材がいない」問題。これは、半分は合っており、半分は間違っています。
多くの企業では「新規事業を任せられる人材がいない」のではありません。そのような人材を、社内で探し出すべく本気で動いてないことが問題であり、どのような人材を新規事業リーダーにすれば良いかわかってないことが問題です。
新規事業を任せられる人材が「社内にいるか/いないか」ではありません。既存の社員の中で、新規事業に最も適する人を探し出しましょう。探すために時間と予算を使いましょう。

過去10年20年と新規事業や新しいことに、本当に何一つ取り組んでいない会社は、確かに新規事業の経験者はゼロ人かもしれません。
そのような会社では、新規事業に向く資質を持ち、新規事業以外の何かしら挑戦や行動を起こしているイノベーター人材の中で、新しい何かを創り出したい動機を持つ人を、社内でなんとか見つけ出しましょう。資質と挑戦経験とやる気のある、新規事業の素人をリーダーに据えるのです。

挑戦経験とは、例えば海外未参入国への新規参入と市場開拓経験、買収先企業への落下傘経営陣としての経験、不振子会社の立て直し経験など、過去の延長線上では対処できない難易度の高い修羅場的な仕事です。
そのような挑戦仕事の経験者は、保守本流事業と全く異なる価値観での仕事、答えのない問題に試行錯誤と失敗を繰り返しながら取り組んだ経験、周囲からの非難・批判も受け止め、自らの頭で考えて意思決定した経験もあるでしょう。新規事業の素人だとしても、修羅場的な仕事を率いた経験は、新規事業の推進に役立つ部分が多いです。
そのような修羅場経験がある社員も少ない場合は、頻繁に異動し、複数のグループ会社の経験者、できれば全く異なるビジネスモデルの事業を複数経験したことがある社員が良いでしょう。

新規事業は未経験なイノベーター人材を新規事業リーダーに据え、リーダーの右腕として、複数の新規事業開発の経験者をコンサル利用するのが現実的な選択肢です。"新規事業の当事者経験があり"、かつ、企画立案の経験だけでなく、"新事業ローンチさせて事業運営の経験もある"コンサルタントを探して利用しましょう。
新規事業の企画や事業計画作りは、そこまで難易度の高い内容ではありません。難しいのは、良案を企画した後に、社内で調整・交渉・協力しながら事業具現化のための活動を推進し、事業ローンチ後に販売して事業を立ち上げることです。売れるつもりでローンチした新事業が、さっぱり売れない現実に直面してからが、新規事業の真のスタートでもあります。
社内向けの企画資料作成が得意なコンサルではなく、新規事業リーダー経験が豊富な社外の新規事業のプロを、コンサルタントとして利用しましょう。

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