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24時間100kmウォーク(8)

横浜の東神奈川から子安にかかる。さすがに疲労が体全体を包み込む。ウォークのピッチが遅くなり、ストライドも狭くなってくる。それに抗うように、腕を振りピッチの手助けをする。国道1号線もこの辺から国道15号線に変わる。この辺に来ると時間は深夜、車の交通量もぐっと減る。参加者には眠気、寒さ、疲労、さらに周囲の暗さで気持ちを保つことが大変な場所。折れそうな心を奮い立たせて歩く。遊行寺坂上で話した後半に屈伸ができなくなるというのはこの頃身に沁みる。信号で止まるとガードレールや電信柱に捕まって呻きながら屈伸運動をする。痛い!曲がらない。でも、曲げる。痛い。繰り返し。

生麦を過ぎ鶴見へ来ると1箇所だけ地下通路を通るところがある。階段。それほど急ではないが、階段を降りる行為、登る行為も辛い。その度に、なぜこんなことやっているんだろう、なぜ参加しちゃったかなと自問自答。少し後悔も入る。でも、間も無く川崎に入ると自分を奮い立たせる。

鶴見川を渡り川崎に入る。第3エイドステーションまではもうすぐだ。街並みも変わってくる。すると5人ほどの集団に追いついた。どうも会社の同僚、取引先と参加しているようだ。その中に別の女性参加者が混ざった感じ。深夜3時というのにそのメンバーで大声を出しながら歩いている。若いわけでもなく、分別の効く歳なのになあ。聞きたくなくても話の内容が入ってくる。お互いの運動に対する思い、自分の年齢を否定しようと必死だとかいう内容。まあ、頑張ってもらいましょう。先行して歩くも、信号で追いつかれる。あー別れたいと思っていいると川崎稲毛神社が見えてくる。歩いている道の反対側なので、ここでも歩道橋を渡らなければならない。階段=辛い。到着は午前4時を回っていた。

第3エイドステーション川崎稲毛神社に到着。ここまで81kmを歩いてきた。ここまでくると完歩できることを確信する。というのも、1週間前にこの川崎稲毛神社から築地のゴールまで予行演習をしている。

さすがにこのステーションにいる参加者はまばらだ。ここでも温かい飲み物を一杯もらった。お腹が心配だったので飲食は余計に取らないようにした。ここまできて、お腹が大爆発したら大変なことだ。慎重に、慎重に。間も無く出発。次は最終チェックポイント。距離は8kmしかない。

歩き始めるとすぐに多摩川の六郷橋。暗くても見晴らしがいい。風もなく歩きやすい。助かった。川下方向東の空には下弦の月が朧に見えた。

つづく

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