オンライン資格確認の専用回線
オンライン資格確認の専用回線
こんにちわ、プラネットワークス株式会社の医療システム担当です。
前回までの解説記事でたびたび登場してきたオンライン資格確認の接続に必要な「専用回線」についてザックリ解説していきます。
専用回線を使わなくても接続可能なパターンもありましたよね。
「居宅同意取得型」の場合、スマホで患者宅からマイナンバーカードの資格確認を行う場合、インターネット経由で接続します。
「資格確認限定型」の場合、スマホアプリから資格確認を行うので、インターネット経由で接続します。
これらインターネット経由で行う資格確認では「医療情報」の閲覧ができないようになっているんですね。「医療情報」の閲覧は現段階では必ず「専用回線」が必要です。
オンライン資格確認の接続回線は2種類
オンライン資格確認に接続するための「専用回線」は、大きく分けて2つのパターンがあります。どちらも「VPN」と呼ばれる仮想的な専用線サービスです。
IP-VPN
インターネットVPN(IPsec+IKE)
「専用線」というものがありますが、これはインターネットを介さずに拠点間で1対1で通信できるように直接ケーブルを結んだ回線サービスとなります。当然、インターネットと接続ができないので、セキュリティは担保されますし、回線を独占しますので高速な通信です。
ですが、言葉通り専用線ですので他に流用できず、コストがお高いです。
「VPN」はIT技術を使って仮想的に専用線を実現してセキュリティを担保した上で接続するものです。
IP-VPN
そもそもインターネットというのは通信事業者や組織が持っているネットワーク同士を相互に接続できるよ、というもんですね。
IP-VPNは、このインターネットに接続せず、通信事業者が持っているネットワークのうち、閉域網と呼ばれる限られた利用者のみが接続できるネットワークを利用して接続するタイプです。
この通信方式は「NTT東日本・西日本」、「中部テレコミュニケーション株式会社」、「株式会社QTnet」の3事業者がサービス提供しています。
一番シェアが多いと思われるNTTを中心に解説しますと、「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」などの光回線契約と「フレッツ・v6オプション契約」が必要です。
このv6オプションってなに?ってなりますよね。
インターネットに接続するときに接続機器を識別するためにIPアドレスと呼ばれる固有の番号が必要ですが、この番号はIP通信プロトコルというお約束事で決められています。
いままでIPv4というルールで決められていたのですが、番号が枯渇した結果、IPv6というルールも増えました、このv6オプションはIPv6ルールの対応を行うというオプションなんですね。
一般的に、いままではIPv4というルールで院内ネットワークを組まれていた医療機関が多いと思いますので、IPv6対応を行うと、ネットワーク設計の見直しが必要となる可能性が高くなります。
参考:「IP-VPN接続方式(フレッツ光による接続)」のIPv6(オンライン資格確認等システム接続)の手順について
IPsec+IKE
こちらは通常のインターネットを介して接続しますが、通信を行う際に通信を暗号化させる技術を使用して、IP-VPNと同様のセキュリティを担保します。
IPv4通信プロトコルのネットワークを通して、接続できるため、現状のネットワーク設計から大きく変更を行わなくても接続が可能です。事業者との通信契約を行うため、インターネットの料金とは別に通信料金が必要です。
こちらは下記の4事業者がサービス展開しております。
弊社では、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社とパートナー契約をしており、SecureMinderサービスを販売しております。IpSec/IKE事業者においても接続回線が「インターネット回線」「IP-VPN(フレッツ光ネクスト)回線」の両方に対応しており、ネットワーク構成の変更不要で高いセキュリティネットワークを持つ、こちらの回線をお勧めしております。
IP-VPNでは、回線事業者の閉域網を使って接続するので、契約先が限定されます。現在ケーブルテレビなどでインターネットを使われている医療機関は、どの回線事業者でも接続が可能なIPsec+IKEで行う必要があるって感じですね。
まとめ
オンライン資格確認で使用できる専用回線について、複数のパターンがあるということをザックリ解説しました。
IP-VPN
IPsec+IKE
専用回線提供している事業者一覧は下記サイトより確認する事ができます。
・オンライン請求システム及びオンライン資格確認等システム接続可能回線・事業者一覧表
オンライン資格確認はVPNを使った専用回線で接続されます。
VPNは、IT技術を使って仮想的に専用線を実現してセキュリティを担保するものですが、昨今ランサムウェアの被害にあるようにVPN機器が標的にあっております。
VPN機器は、セキュリティパッチの適用等の定期的なメンテナンスが必須であり、保守契約の際はVPN機器の保守が含まれているかどうかが着目すべきポイントです。
手前味噌で恐縮ですが、弊社が販売する「SecureMinderサービス」は回線使用料で定期的なメンテナンスを行っており、高いセキュリティを維持しております。
About the Author
プラネットワークス株式会社
1998年設立。翻訳サービスから始まり、2004年にジャパンエイドPC救急隊事業によりITオンサイト事業に参画する。医療事業は、レセプトのオンライン請求システムの稼働時にITオンサイトサービス提供より参画。
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