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【イベント】スマートアイランド推進プラットフォーム設立記念シンポジウムの開催レポート(1/7)

スマートアイランド推進事務局です。
去る、8月8日(木)に、「スマートアイランド推進プラットフォーム設立記念シンポジウム」が開催されました。
会場参加、オンライン参加を合わせ250名以上の参加者があり、たいへん盛況に終えることができました。
ここでは、そんなシンポジウムの様子をレポートとしてご紹介します。

第1回は國場国土交通副大臣、全国離島振興協議会副会長の谷川正芳様よりいただいた、プラットフォームへ期待を込めたエール及び、国土交通省国土政策局離島振興課・内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局からの支援制度の紹介についてお伝えします。


國場国土交通副大臣 挨拶

國場国土交通副大臣からは、冒頭、離島が厳しい自然的社会的条件下におかれている一方、島国である日本においては排他的経済水域の保全や海洋資源の利用、そして多様な文化の継承など、重要な役割を担っていることをふまえ、そうした離島の課題を新技術・デジタル技術の実装により解決するスマートアイランドの取組を国としても力強く推進していくことを改めて強調されました。

國場 国土交通副大臣

また、離島が直面する課題は、日本全体が抱える課題が複合的にかつ先鋭的に現われているとして、離島における課題解決の成果が日本全体の課題解決に向けた道しるべになりうること、そうであればこそ、離島において新技術・デジタル技術を活用した真の課題解決を図ることが重要となるとして、スマートアイランド推進への期待の高さを語っていただきました。 

終わりには、このシンポジウムの開催を契機として、スマートアイランド推進プラットフォームを活用し、民間企業や自治体、そして国が一体となって、離島が持つ無限の可能性を生かしながら、国の宝として発展させていくことを祈念されるとともに、関係者への感謝と激励の言葉を述べられました。

谷川全国離島振興協議会副会長 挨拶

続いて、全国離島振興協議会副会長である谷川様からご挨拶を頂戴しました。

谷川 全国離島振興協議会副会長

広島県にある大崎上島町の町長としてもご活躍される谷川様からは、課題が山積する離島の厳しい状況の中で、同町で実施した、自動運転技術を活用した自立航行船やEV船による新たな交通輸送のスマートアイランド推進実証調査の効果について言及され、地元商船高等専門学校との連携にも繋がるなど、実例を通じたスマートアイランド推進への期待を語っていただきました。

そうしたご期待も含め、谷川副会長からも、本シンポジウムの成功とスマートアイランド推進プラットフォームの設立を契機としたスマートアイランドの実現、そしてそれによる離島課題の解決を祈念いただき、大きな期待感の中でシンポジウムが開会となりました。

スマートアイランド推進施策説明

シンポジウム冒頭、国土交通省離島振興課より、今回のプラットフォームの設立に繋がるスマートアイランド推進施策に関して説明が行われました。

駒田 国土交通省離島振興課長

まずは本施策の背景として、日本における離島の位置付けや取り巻く環境、直面する課題あるいは関連する法令などについて説明があり、そうした状況や課題を解決するための取組として、離島への新技術・デジタル技術の実装を「スマートアイランド」と名付け、その推進を図っていることが紹介されました。

スマートアイランドの背景について

令和2年度から始まったこの取組により、医療・介護、行政の分野において、具体的な事例が生まれていました。
一方で、分野が限定されていたり、実証から実装に進むにはハードルが高いなどの課題があったため、多様な分野への活用の拡大や、実証から実装段階へとシフトしていく流れを生むため、今年度より「スマートアイランド推進カタログ」の作成などの取組の強化を図り、その一環としてスマートアイランド推進プラットフォームが設立された旨が説明されました。
プラットフォームが今後行っていく具体的な取組としては、情報の共有・連携の強化、情報発信、離島自治体と企業等のマッチング支援が掲げられており、会員はメールマガジンの購読、オンライン・リアル併用のイベント、マッチングのためのピッチイベント、離島振興の実践者のトークイベントなどに参加することができるようになります。

スマートアイランド推進プラットフォームにおける主な活動・取組

プラットフォームを通じて、企業や団体の皆様に離島の課題を知っていただくことで技術のフィールドの広がりが見込める。また、離島の自治体は知見や時間の不足を補完し、ニーズに応じた取組を進めていけるとして、プラットフォームを是非積極的に活用いただき、一緒に離島に大きな変革をもたらしていきたい、と説明を締めくくられました。

スマートアイランド推進プラットフォームの詳細については、ホームページにおいても詳しくご紹介しておりますので、是非、そちらもご覧ください。

デジタル田園都市構想関連施策説明

続いて、内閣官房より、関連施策として、デジタル田園都市国家構想交付金の説明がありました。

山内 内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 

この交付金は、地域の課題をデジタル技術で解決するための施策であり、大きく四つに分かれており、今回のスマートアイランドの取組に関連するのは「デジタル実装タイプ」ということで、詳細な説明がなされました(他のタイプの詳細については、後述の内閣官房のホームページをご確認ください)
 
デジタル実装タイプはその名前のとおり、実証や実験は対象とならず、デジタル技術の実装に重点が置かれており、その手法に応じて、4つのタイプに分類されており、それに応じて交付上限額や交付率が変わってくるということでした。以下、その4つのタイプの概要を記載しておきます。
 
・タイプ1 他自治体で実装された既存サービスを導入
・タイプ2 データ連携基盤の整備とそれに基づいた複数サービスの展開
・タイプ3 AIやマイナンバーカードを活用した高度なサービスの実装
・タイプS 他地域への横展開可能な先進的技術の実装

デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプ 制度概要

具体的な離島での活用事例も挙げられ、複数の島から成る竹富町では、役場が自治体外にあるため、住民票や印鑑証明などのコンビニでの交付の環境整備事業が採択され、全国どこでも住民票や印鑑証明を取得できるようになりました。また、佐渡市では防災情報を集約し、LINEと連携させる取組が進められ、防災面での取り組みも強化されているとのことでした。
 
こうした取組に向け、交付金の採択を目指される場合には、内閣官房のホームページ(https://www.chisou.go.jp/sousei/about/kouhukin/index.html)に採択事例やガイドラインが掲載されているということですので、是非ご活用いただき、ご参考としてください。
 
なお、何から始めてよいか分からない方々に対して、現地に行き、地域の課題を聞き、デジタルでの解決策を一緒に考える「デジタル実装計画策定支援事業」という支援メニューについてもご説明がありました(3次募集は既に募集終了)

今後、次年度に向け、昨年度スケジュールの場合、概ね11月頃に案内し、12月から2月に申請書作成や事前相談を受け、2月から審査という形で進んでいく、ということで是非積極的にご活用いただきたいとして、説明を終了されました。
次回からはいよいよ、シンポジウムのメインコンテンツとなる各離島によるスマートアイランド推進事例の発表の模様について、レポートさせていただきますので、ご期待ください。


スマートアイランド推進事務局

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