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映像授業サービスの現在、未来。その6(終)

映像授業サービスについて考察しています。6回目の今回で最終回です。
前回はこちら

本シリーズですが、当初の方向性とは異なった展開となってしまったこともあり、タイトルを変更しています。

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前回は、YouTubeの存在によって、映像授業サービスによる課金が難しくなっていくのではという予測を書いています。

最終回の今回は、映像授業サービスの将来について考えたいと思います。

無料のYouTubeによって提供される授業コンテンツは日々拡充の方向に向かっています。その影響を受け、映像授業サービスは、ビジネスとしてピークアウトしていると見ています。

発展はありえず、衰退のスピードはわかりませんが、高負担高サービスのハイエンドモデルが、まず最初に機能不全となり、中負担中サービスの乱立を経て、映像は無料か低負担で提供するかわりに、学習環境を整えるビジネスに収斂するのかなと思っています。
高齢化が進んでいるカリスマ講師の引退とその時期を同じくするのかもしれません。

映像授業サービスが手を付けやすい課金モデルは、サブスクリプション方式でしょう。複製コストがほぼ0なので、一度撮影してしまった授業コンテンツは、時間が経つほど低コストで活用できます。
その間に教室での学習者のサポートを手厚くする戦略を高めていくというイメージです。

河合塾マナビスは、その方向性の端緒が見えています。合格体験記を見ても、映像授業ももちろんよかったという声もありますが、教室に通って、教室スタッフの方のサポートがあって合格できたという声が多い。河合塾は将来を見据えた戦略を練っているのかもしれません。

カリスマ講師によって提供される高品質な授業は、確かに素晴らしい。しかし、授業力=合格力かと言われれば、必ずしもそうとは言い切れない。

というもの、神授業を自分の受験戦略に組み込めるかは、受験生次第なのです。授業コンテンツを生かすも殺すも受験生がいかに活用できるかにかかっているのです。ここを手厚くフォローできなければ結果につながりません。

少子化で、構造的に過当競争になっていくこの業界は、一人ひとりの受験生を丁寧に見ていくことでしか生き残る活路はないのではと思っています。

そういう意味で、結果と直接連動している、学習指導や自学の進め方が今後のビジネスの柱となっていくのではと思っています。

なので、私自身が映像授業サービスを見る視点は冷ややかになっているなと実感します。私がその方向に活路を見出していないからでしょう。
亡くなられた金ぴか先生の時代のような予備校講師繁盛記というのは、そろそろ終幕を迎えたのではと思っています。

映像授業サービスの勃興は、カリスマ講師による神授業が金の卵をうむという物語の終わりのはじまりだったのかなとも感じなくもありません。

(本シリーズは、これで終わりです)

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