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「ダメだったら医者」が許される社会に生きるペーパーテスト勝者の思考【公金で、リスクヘッジをする「エリートさんしぐさ」にもやる】

久しぶりに強烈な違和感のある記事に遭遇。

ここに登場される方の考え方は理解はできるものの、感情が追い付かないところがあります。

その理由を考えます。その記事がこちら。

ネットメディアにありがちな煽り気味のタイトルですが、ここに登場される方の考え方には、強烈な違和感があります。

・人生のリスクヘッジとして、医学部に入学し、医師の資格を確保しておく。
・その上で、リスクのある起業に挑戦する。

という戦略思考です。

今の時代に合っている思考、戦略であることは、もちろん理解できますが、なんともモヤモヤする考え方です。

なぜなら、国公立大医学部には、医師を育成するための多額の公的なお金が入っているからです。

医学部に入り、医師の資格を得た人が、職業として医師の仕事を選ばないのは、職業選択の観点で「基本的には」自由であるべきでしょう。

ただ、この方のように医師の資格保持は、人生のリスクヘッジだと臆面もなくおっしゃるのは、やはり感情を逆なでする面があるかなと思います。

悪意に解釈したくはないものの、ペーパーテストが滅茶苦茶できる人は、社会からリスクヘッジしてもらえて当然と考えているとしか思えない。だから行動に透けて見える「何か問題でも?」という思考に脱力させられるのでしょう。

とはいうものの、医師なら問題であるが、薬剤師ならいいのか、建築士ならいいのかとなると難しい側面もあります。教員の資格など、持っていても教員にならない人の方が多い資格もあり、リスクヘッジという点ではどこまでならいいのかは答えがないとも思っています。

なので、基本的にはこのような方の行動は是としないといけないのでしょう。
ただ、このような思考の方には、やはり人間性という点で疑問符がつくとも思いますし、少なくとも「社会性の評価リスク」くらいはあってもいいのかとも思わざるを得ません。

別に懲罰感情をから言っているのではありませんが、「勉強のできる嫌な奴の考え方」くらいのリスクは背負っていただかないと、不平等感は覚えてしまいます。

こうなってしまう背景に、この国ではノブレスオブリージュの文化がないこともが背景にあるのでしょう。エリートと呼ばれる方は、社会的責務を負うどころか、上級国民として優遇されて当然であるという思考がはびこり易い環境はあるのかもしれません。

個人的には、このような方は今後増えていくのかなと思っています。

医師だけでなく、司法試験や公認会計士の資格をとって、どの仕事にも就いていない資格ホルダーの方や、医師と弁護士の資格をとって国会議員になりながら、消費税減税を訴える議員に粘着している方を見ると、才能の無駄遣いではないかなと感じなくもありません。

恵まれた才能や才覚はもっと社会に還元すべきという自覚もちょっとはあっていいのではと思っています。しかし、そのような考えは、才能才覚に恵まれず、地を這うように努力するしかない人間のひがみなのかもしれませんけどね・・・。

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