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『家庭教師のトライ』売却報道の衝撃

家庭教師派遣大手の『家庭教師のトライ』が売却というニュース。

元プロ家庭教師としては、衝撃的なニュースでした。家庭教師派遣業は、古くから存在するビジネスモデルであり、また労働集約型ビジネスということもあり、「大きく儲ける」ことが難しい分野でありながら、カリスマ経営者の下で発展してきた企業が大きな決断をしたことは、時代の転換点にあることを実感します。

私は働いたことはありませんが、『家庭教師のトライ』は、人件費を削って儲けるという感じではない印象を持っていました。

記事によると英国のファンドに株式を売却し、ファンドが設立する目的会社に現経営陣が再投資する形をとるようで、現経営陣が新しいビジネスのために資金調達した印象をもっています。

教育ビジネス業界の時代の転換点にあるという判断なのでしょう。

コロナ禍の影響もあり、オンライン家庭教師業が雨後の筍のように登場していますが、多くが淘汰されながら次の時代の1対1の教育ビジネスを担っていくのだと思います。トライの経営者がどのような未来を描いているのかは、気になるところです。

ソフト面を担う講師の立場からすると、AIなどを組み合わせていくビジネスモデルには興味があります。経営者目線では、能力があっても高額な報酬が発生する講師をAIなどに置き換えたいという願いはあるのかもしれませんが、そもそもこの業界は差別化が存在しているからビジネスになるのであって、汎用性の高い機械が存在すれば、商売として難しくなります。

ただ、顧客層の多い「中高生の定期テストサポート業」レベルは機械化が進む可能性はあります。

難関大や医学部などのトップレベルの争いが人が介在する余地を残す、そんな業界の未来が待っているのかもしれませんね。

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