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斜交座標の活用とその注意点【クリアー数学演習受験編Practice42:横浜国立大】

今回も生徒の質問から。
この時期は、質問のクオリティも高くなってきますが、今回もその一つでしょう。

問題はこちら。

今回のテーマは、斜交座標の活用です。私自身はそこまで活用には積極的ではありませんでしたが、今回質問を受け、考えを改めた問題でもあります。やはり、直感的に解くことができるメリットはあるなあと実感しています。

斜交座標とは?については、検索するといろいろ出てきますので、そちらでご確認ください。

(2)も斜交座標を活用できますが、やはり(3)でその威力を発揮します。

では解説ですが、(1)は、ヘロンの公式や余弦定理で6√6が出てきます。

(2)は、相似比の活用で18√6が出てきます。

(3)で斜交座標を活用していきましょう。斜交座標では↓の図になります。

条件式の2s+t=1、2s+t=2,s+3t=3が直線として与えられる点がやはり、可視化に大きく貢献しますね。図の斜面が求める面積になるのは、自明だとわかることでしょう。

すると、点Cという交点の存在が見えてきます。

ちなみに①式は、B点とA”点を結んだものですが、導出は以下の通りになります。

以下同様にして、直線②、③が決まります(紙面の都合で割愛します)。

よって、交点Cは、②式と③式の交点なので、連立方程式で解くことができます。

ここから面積を求めていきますが、斜交座標の場合、面積を直接求めることはできません。

今回の質問は、この斜交座標の図から面積を導出して、数字が合わないとのことでした。
直交座標での面積を求めているのですから、斜交座標での面積では数字が合わないのです。その点は注意しておきたいところですね。

そのため(1)で求めた△OABの面積(6√6)との関係性で出すことになります。

斜線の部分の面積を以下のようにS1とS2に分割し、S1は、△OABの半分である(底辺半分、高さ共通)から

S1=3√6と出します。

S2はS1との関係性から導出します。S1とS2は、辺ABが共通なので、高さの比が面積比になります。
なので高さを点と直線の距離の公式からそれぞれ導出します。
(これも直交座標での距離とは違いますが、趣旨は高さの比なので、問題はありません)

そして、面積比を出して、

S2を確定して出来上がりです。

やはり、相似比で解くよりも早い印象はありますね。そんなに頻繁に使うものではないので、斜交座標のメリットを実感していませんでしたが、使ってみると便利であることは間違いないでしょう。

ただ、相似比による導出も数学Aの平面図形では必要な力なので、なんでもかんでも斜交座標というのはおすすめできないとも感じています。

要は、使い分けですね。


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