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九州の私立大学の地殻変動【少しずつ変わる大学の存在意義】

たまたま見つけたこちらの動画。なかなか興味深いですね。

九州の私立大学の地殻変動を感じさせるなと思います。

思ったことをまとめておきます。

(1)目覚ましい躍進(福岡工業大)
近年目に見えて躍進を実感するのが福岡工業大学です。国公立大学の情報系の学部を志望する生徒の中に併願先として受験する例が増えてきました。この動画でも福岡県の学区2番手グループの公立進学校の生徒の支持が高いことが理解できます。教育内容の充実と就職の良さが魅力でもあります。

(2)実学志向の反映(中村学園大、筑紫女学園大)
こちらも時代を感じさせます。それぞれ栄養、福祉の専門教育を受けられる学部がある大学です。女子を中心とした実学志向にマッチした印象があります。また、中村学園大の教育学部は、教育内容の充実から教員へのルートが随分と太くなっている印象があります。

(3)地元志向の受け皿(崇城大、長崎国際大)
いろんな事情から地元の大学への進学を希望する生徒の受け皿になっている印象があるのがこの2大学。ともにJRの駅から近い立地もあり、家から通える大学としてのニーズを拾っている印象です。地元の公立進学校が上位に来ていることも特徴で、文徳、九州文化学園という系列高校より進学者数が上回っています。ともに薬学部を新設したことも地元の高校生に訴求力があったのではと思います。

(4)ブランドの確立に成功(APU:立命館アジア太平洋大学)
九州の私立大学の中で、唯一と言っていい「絶対にこの大学に行きたい」という生徒がいる学校です。独自性が高いことが特徴で、ブランド化を達成したといっていいでしょう。
これまで、欧米を中心とした国際化が主流の考えにあって、早い段階からアジアの成長を見越した大学の方針を打ち出したことは、先見の明があったと思います。地味ながらこのような方針の良さが花開いた印象です。


地方の私立大学の置かれた現状は厳しいものがありますが、それでも地域から必要とされる存在として認知されれば、必ずしも偏差値による序列とは違った動きをするのも現実です。

大学選びは、いまは多様な考え、価値観が十分通用する時代です。大企業就職だけが正解ではない。それを踏まえて学校を選ぶ時代なのでしょう。


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