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思考停止の『チャート式』信仰

今回は、数学の問題集についてのお話です。

ある受験生が『標準問題精講』(旺文社)で学習をしていたところ、
数学の先生から『赤チャート』の方が良い。この問題集ではダメだと言われたのだとか。

これはちょっとびっくりな話でした。もちろん『赤チャート』はいい問題集であることは言うまでもありません。
ただ、『問題精講』はシリーズ化され、いいラインナップになっています。
貪欲にカテゴリーを構築し、『チャート式』では捕捉できない層にも積極的にアプローチしています。『入門問題精講』は数学が苦手な受験生にも手を差し伸べています。

また、サブラインナップとも言える『総合研究』シリーズは、YouTubeでおなじみの古賀真輝さんの本を出すなど、旺文社はとても意欲的です。

『標準問題精講』の上のカテゴリーの『上級問題精講』は、著者の長崎先生の問題のチョイスが素晴らしく、高みに到達した受験生の研鑽の場としておススメしています。

その数学の先生は、何を根拠に『標準問題精講』を否定したのかが不思議でなりません。

理由として、考えられるのは、『標準問題精講』への無理解、つまり内容がどうなっているのかを知らなかったのではないかということです。

時代は動いています。受験生は貪欲にいい問題集へのアンテナを張っています。彼らが選んだ問題集を自分の価値観で判断し、否定をするという行為は、本来あるべきではありません。ましてや、一定の評価のある問題集を即断で否定するのは、怠慢にほかならず、厳に慎むべき行動とさえ言えます。

『チャート式』や『フォーカスゴールド』は教える側がこれを薦めておけばいいという問題集になっている側面があります。

これは思考停止に他なりません。

数学に限らず、他教科にも鉄板問題集は、ありますが私たち講師側は、思考停止にならずに貪欲に問題集への関心を持つべきだと痛感した次第です。


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