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東京都知事選挙のもう一つの注目点【「世論」は何を重視し、どこに流れ着くのか。】

東京都知事選挙に注目しています。

その理由として、現職都知事は、現職の絶対的な権力を乱用していることの問題の大きさです。
これは、都知事個人だけの問題ではなく、「稼ぐ先」を失った(大)企業の苦境の反映とも言えるのかなとも思っています。

公金であったり、公園などの公共物を狙い、民営化と名を変えて「私物化」しようとする流れは、凋落国家のなれの果てという宿命と言えますが、まだ健全性に抗う段階でもあると個人的には思っています。

政治と企業の癒着は、今後も陰に陽に侵食していく可能性が大きいだけに透明性のある政治を市民の手で守ることができるのかが一つの試金石となると思っています。

あと、もう一つ理由があって、世論の動きに強い関心があります。

現状の情勢分析は、

が妥当なところだろうと思っています。

現職が手堅く支持層を固め、知名度で無党派層を抑えているのは、ある意味当然の展開ですし、石丸氏の健闘も納得感があるところです。

現職は、予想通りメディアの露出を抑えているようです。これは現職は逃げ切り態勢に入っているという理解でいいのでしょう。

それで勝ちの読み筋があるのでしょうし、いろんな問題が噴出している以上、飼い慣らした都庁記者クラブのメディアは、空気を読んでくれても、フリーのジャーナリストはそうはいかない。下手に目立とうとして、藪蛇になる展開は十分に考えられますから当然とも言えます。

視察中心の公務をあえて入れることで、現職の継続性をアピールすることは結果として効率的な選挙対応となっている。

そんな現職に対して、追いかける側がかわせるか、あと1週間の焦点はそこにあるのではと思います。

東京は、無党派層の絶対数が多く、ここ制することができるかという点が一つの焦点で、これはメディアであってもどの程度精度の高い情勢分析ができるのかは難しいのではと思っています。

というのも、インターネットは、世論を動かす要因として大きな存在とっていると思うからです。

石丸氏の支持拡大にはネットやYouTubeの影響は大いにあるという点も世論を動かしている要因とみていいのではと思います。

その点を考慮すると、上記の記事での

「朝日新聞でも日経新聞でも、無党派層では蓮舫氏よりも石丸氏のほうが支持を集めていました。とくに日経では、石丸氏が無党派層の2割を押さえたのに対し、蓮舫氏は1割にとどまっています。無党派層が多い東京でこの結果は、蓮舫陣営には脅威でしょう」(全国紙政治部記者)

上記記事より

は、石丸氏の支持率はともかく、蓮舫氏の支持1割は、実相と合っていないのではと思っています。

現職批判票が若い石丸氏にすんなり流れるという構図は、あまりに単純すぎて私にはリアリティがない。投票まで1週間を切ると、「死票にならない批判票」を意識する有権者の動きが表面化するのではとみています。これを蓮舫氏が補足できるのかは注目点だと思っています。

そんな状況の下で世論はどのように動くのか。

メディアの世論コントロールは、巧妙になっており、さらに国政選挙以上に露骨になっている面もある。政治に関心のある層は、それを嫌ってネットからの情報収集に動いているのではとみています。しかし、ネットもまた、玉石混交の状態ですし、メディア以上に我田引水の情報に溢れている。

そのような中で、世論はどこに流れ着いていくのか。

その正解を正しく導き出せることはできるか。メディアの調査能力が試されるのだろうと思っています。

いろんな意味で、東京都知事選挙は、この国の未来を占う要素が詰まっているのでしょう。私の関心の高さの所以はこのようなところにあるのかなと思っています。


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