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今回は御蔵島海底光ファイバーケーブル強靭化対策工事について紹介します

 こんにちは皆さん!島しょ通信担当です。
 三宅島の南側に位置する御蔵島村では、平成29年7月から海底光ファイバーケーブルによる高速ブロードバンドサービスを開始しました。しかし、御蔵島村の沿岸部は波浪によるケーブル損傷リスクが高く、通信安定性の更なる向上が必要なため、今年度から強靭化対策工事に着手しています。
 島しょ地域の生活を支える光の道「海底光ファイバーケーブル」。今回は、御蔵島村での強靭化対策工事について紹介します。
 事業概要は以下URLで!


⛵御蔵島海底光ケーブルの現況

 海底光ケーブルが海底から陸上にあがる部分を陸揚部といいます。御蔵島は円錐形の形状をしているため、この陸揚部が外洋に直面し、波浪の影響を直接受けやすいとともに、水深が浅いところには無数の大きな石があります。大波により、海底光ケーブルが海底にたたきつけられたり、海底の石にはさまれたりして、海底光ケーブルの損傷事故がこれまでに複数回発生しています。また、陸揚部では海底光ケーブルを防護するために防護管を取り付けていますが、波浪により防護管外れや防護管の損傷が度々起こり、その都度補修を行っています。

↑円錐形の御蔵島
↑現在の海底光ケーブル陸揚部

⛵強靭化工事の概要

 波浪により動かされた石によって海底光ケーブルが損傷することを防止するため、港から沖に向かって石が少なくなる所までトンネルを掘削し、その中に海底光ケーブルを敷設し直しすことで強靭化を図ります。これに伴い、接続する陸上ケーブルも敷設し直し、最後に不要になったケーブルを撤去し令和7年度末までに工事を完了する予定です。

↑トンネル整備のイメージ

⛵工事の進め方

 工事は、まず陸上部から海底の石や岩が少ないエリアまでHDD(Horizontal Directional Drilling) 工法でトンネルを掘削します。この工法は、掘削先端部から発信する電波を地上部のロケーターで受信し、位置を正確に確認しながら掘削を行うもので、カーブしながら円弧状に掘削することが可能です。
 トンネル掘削工事完了後に、沖合から港に向け海底光ケーブルを敷設し、2本のケーブル(三宅島ルートと神津島ルート)をトンネルに同時挿入し陸揚げします。その後、陸揚げした2本のケーブルは通信サービスを中断しないため1本ずつ切り替え作業を行います。また、敷設したケーブルのうち、トンネル出口の水深21mから30mまでの区間は、鋳鉄製の防護管を取付けて防護を行います。
 本工事着手に先立ち、御蔵島村において工事説明会を開催し、工事の必要性や方法などについてご説明し住民の皆様にご理解を頂きました。

↑新設光ケーブルの位置図

⛵おわりに

 工事の実施に当たり、港内で行われる別工事や、入出港する貨客船や漁船等との調整を行うとともに、御蔵島港を利用される皆様へのお知らせを行いながら安全第一で進めていきます。
 今回、御蔵島村での海底光ケーブル強靭化工事(正式には御蔵島情報通信基盤改修工事といいます。)を紹介させていただきました。引き続き、島しょの高速ブロードバンドサービスを支える海底光ケーブルの更なる安定化に向けて取り組んでいきます。
 
 ここで紹介した島しょ地域の情報通信基盤整備及び保守、運用管理に関する情報は、デジタルサービス局ホームページでも公開をしていますので、ぜひご覧ください。