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Smapoは何に挑戦しているのか。

はじめに

 2019年にSmapoを立ち上げてから2年。日々試行錯誤は続いていますが、なぜ私たちがこのサービスを今やるのか、何に挑戦しているのか、を言語化しておきたくてこのnoteを記します。Smapoはポスティング広告を然るべき人に届けるスマートポスティングと合わせ、SendWOW(センドウ)という企業様向けの人らしいコミュニケーションを促進するサービスを展開しています。Smapoに関わってくださっている全ての皆さまへ、Smapoの姿勢について知っていただくきっかけになれば幸いです。

きっかけの始まり

 ビジネスの前提が大量生産・大量消費になった現代において、その恩恵に与り、私たちは、必要な時に必要なものを、低価格で揃えることができ、豊かな生活が送れてます。
 一方で、ビジネスを提供する側は、圧倒的な数の顧客へのサービス提供を処理する必要があるため、個人商店では当たり前だった「一人の顧客を認識し、対応する」ことを削ぎ落として、事業運営をしています。
 もちろん、現代社会はこの仕組みで回っているし、誰も困らないのだけれども、私はどうしても違和感がぬぐいきれません。この違和感の正体は一体何なんだろう、そう考えてるうちに、ふと昔の近所の魚屋さんと母のやりとりを思い出しました。

幼少期の記憶にある近所の魚屋

 私がまだ幼い頃の記憶です。
 近所に魚屋さんがあり、母は魚を買うときは必ずそこで買い物をしていました。家の近くには鮮魚コーナーもある大型のスーパーがあるのに、魚だけは長い間お世話になっているその魚屋に定期的に発注をしていました。
 決して値段が安かったわけではありません。むしろ魚屋さんの方がスーパーより高いくらいでした。それでも母がその魚屋さんに発注し続けたのは「うちの勝手をよくわかってくれているから」だと言います。当時はそういうものかと思い聞き流していたのですが、今思えば、この「勝手を分かってくれてる」ことが商売における重要な要素だったのだと思います。
 その魚屋さんは家族ぐるみでのお付き合いなので、家族全員の顔や人となり、好みを理解してくれており、行く度に「おばあちゃんは元気?」だったり「おじいちゃん、サンマ好きだったよね。いいサンマが入ったからとっておいたよ」といったように、私たち家族を慮り、好みに合わせた提案や対応をしてくれていました。
 この話をすると、今のECもレコメンドやタイミングを図ったリマインドを行ってるじゃないか、と思う方が多いと思います。
 ですが、私はそうは思いません。
 ECでされるレコメンドやリマインドは、「24時間以内にTシャツを検索した人」や「1週間前にその商品をいいねした人」に送られます。AさんだろうとBさんだろうと、特定のアクションをした人全員に同じ対応が行われます。
 これは果たして、魚屋さんの対応と同じでしょうか?
 答えはNoです。魚屋さんは、私たち家族の好みといった、おそらくデータ化できる要素も考慮はしていましたが、それ以上に、個々人の気質や体調など、データでは表現できない人となりを考慮して応対してくれていたと思います。
 それが母の言う「勝手を分かってくれている」ということであり、人にしかできないことないことなのだと私は理解しています。また、それがあるから、母と魚屋さんの間には信頼が蓄積し、何十年経った今でも母は魚屋さんに魚を買いに行くのだと思います。

「パーソナライズ」とは

 昨今、未来感のあるバズワードとして使われる「パーソナライズ」。個人の趣味嗜好に応じた個別化というニュアンスで使われますが、その実は、一定のアクションデータに応じた分類にすぎません。
 魚屋の対応と比較すると、データ化できるものにのみ基づいた分類は、真の意味での「個別化」ではなく、単なる「マイクロセグメンテーション」だと、私は感じます。
 もっと言えば、この「パーソナライズ」はお客さんのための最適化ではなく、企業のためのお客さんの趣味嗜好をパターン化して「買ってね」のアプローチをするための「コンテンツの最適化」です。
 「パーソナライズ」が悪だと言いたいわけではありません。
 お客さんも、自分の趣味・嗜好に沿ったおすすめがされることで、一定のベネフィットがあります。でも、私は、この、魚屋さんのような顧客を1人の人としてと扱うコミュニケーションではない、パターン分類に沿った「処理」でしかないアクションに違和感を覚えずにはいられないのです。
 大規模な処理と顧客1人1人への対応は両立しないのか。
 一見すると二律背反に見えると、この問を解くために私たちは、サービスを始めました。


私たちがSendWOWで実現したいこと

 これまでに書いた通り、私たちは、魚屋さんとのコミュニーケーションのような、個々における信頼やそこから生まれる、ある種のサプライズ(あ、この人ちゃんと私のこと考えてくれているな、と感じる瞬間=”Wow”)が伴うことがとても大事なことだと信じています。
 ビジネスが大きくなって、仕組み化されても、それは変わらないと思っています。だから、心では理解してる、でも、仕組みに圧殺され、数字に忙殺されて、顧客に向き合えない状況の人たちの手助けがしたい。
 その第一歩として、KPIに忙殺されている営業の方々が、顧客へのフォローアップを簡単にできるツールから始めます。「あなたのための」心のこもったコミュニケーションが売上につながるというのは事実です。「SendWOW(センドウ)」を使うと、このコミュニケーションを営業の方は時間をかけず実装できるようになります。また、「SendWOW(センドウ)」は普段営業の方が使っているツールとの連携も柔軟に行うことができるので営業活動の中で自然に取り込んでいくことができます。さらに、チームで使うとチーム内での汎用性を高め、組織としての「相手のための」セールスマーケティングをスケールさせることができます。 
 最終的には、職種問わず、簡単に人が顧客へ簡単に思いやりを届ける手段のすべてを提供します。
 ただ、単純に感謝や愛情を伝えましょうという話がしたいわけではありません。そういったやりとりの積み重ねが最終的に長ーいおつきあい、になっているのははるか昔から「商売」の時代に証明されており、これを現在のビジネスの形の中で復活させることでお互いの利益最大化が実現できると考えています。


 色々と、かしこまって書きましたが、要は、合理と効率の追求ばかりだと、世の中なんか寂しくないですか?ということです。B向けかC向けかによらず、また規模によらず、人らしい顧客折衝を実現したい。
 そうすることで、「あの人から買ってよかった」「あの人に売ってよかった」「あの人に出会えてよかった」の優しいコミュニケーションを積み重ねることが正しく評価され、スタンダードになる世の中を目指したいと思っています。



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