見出し画像

ホーキング博士は、天国でも地獄でもなく宇宙にいるらしい

相変わらず「科学」に夢中な娘。
最近は、一度読んで本棚にあったホーキング博士の本を再び読み始めている。


科学にも宇宙にも全く興味のない私だが、娘も知らないホーキング博士の意外な一面を知っている。

モンティ・パイソン復活ライブ!
ホーキング博士は、VTRだけでなく会場にもいて、特にVTRの中では「嘘だろ?!マジか!」と思わず言いそうになる意外な一面を披露している。
「ギャラクシーソング」の場面で、
若手科学者を車椅子で引き倒し、口汚く暴言を吐き、そのまま宇宙へ飛んでいくのだ。

純粋にモンティ・パイソン目当てで見てたので、すっかり忘れてたわ…

私は思った「娘に教えたい」
科学の話では、もう娘に勝てない。
浅い知識で何か言ったって、殆どの場合、娘も知っていて、更に情報を追加してきたり、何なら間違いを正したりしてくる。
最近すっかり生意気になって「ママ、多分解らないと思うけど聞いてくれる?」と断ってから話しやがる。

悔しい。思い知らせてやりたい。
「ママだって、あなたの知らない事を知ってたりするんだからね!」と
ALSと闘いながらも活躍した天才科学者として、尊敬と憧れの眼差しを向けている娘に、
自分の方がホーキング博士について何倍も知っていると思っている娘に、
思い知らせてやりたい!


早速、娘に一通りの話を聞かせ、Blu-rayを観せてみると。

娘、まず、ギャラクシーソングそのものについて間違いを指摘し始めた
「ママ!この歌、間違ってる!」

そこじゃねー

そして、この後ホーキング博士に引き倒される若手科学者の説明に、うんうんと頷く。

まぁ、いいよ、今はそれで。

お待ちかねのホーキング博士が登場してからは、私の期待どおりのリアクション。

口をポッカーンと開けて驚いている。
沈黙の後、
「エーーーーッ!!嘘でしょ?!これ本人?こんな人なの?」から始まり
「ママ!このLive行った!?生でホーキング博士見た?!」
「見てないんかい!じゃあいいや!」
「エーーーーーッ!マジかぁ…」
と、言いたい事言うだけ言って、黙り込む娘。
ちょっと涙ぐんでる。

え?どうした?
え?私なんかやっちゃった?
私が心配になってくるくらいの間の後、娘が

「ホーキング博士は、天国でも地獄でもなく、宇宙に旅立ったんだね」
「知りたかった事は全部知れたかなあ」
「ママ、良いもの観せてくれてありがとうね。私の為に思い出してくれたんでしょ?ありがとうね」
と、しんみり言ってきた。


負けた。
負けたよ。
何よ、その感性。

私は、一生かけても、この子には、勝てない。