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大友克洋の "瓦礫の風景"

 Rubble Landscape

 ただ、好きというだけでなく、少なからず影響を受けたマンガ家さんを"note"していきます。


 今回のテーマは”大友克洋”さん。
 近年は漫画家というよりも映像作家監督ですけど、私としては、やっぱり漫画家”大友克洋”さんに影響を受けたのです。


【大友克洋の作風】

 大友克洋さんを知ったのは、中学生の頃で、映画「幻魔大戦」が話題になった時でした。

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 あの角川映画初のアニメ作品!みたいな感じで、かなり話題になったのですが、キャラクターデザインを担当していたのが大友克洋さんでした。
 大友さんのデザインは、目が小さいし、髪型も普通だし、女の子がそんな可愛くないし.... 正直、当時のアニメキャラらしからぬ感じの印象でした。

キャプチャ


 高校生になって、実は漫画家さんだったことを知るわけなのですが、当時、週刊ヤングマガジンで『AKIRA』が連載されていて、かなり凄い作品だって友だちの間で話題になったのです。
 自分も興味が湧いて、作品を探してみると『AKIRA』は単行本化されてなくて、あったのが『童夢』でした。

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 ある団地での謎の変死事件をめぐって繰り広げられるサイキック・アクションなんですが、絵がリアルなもんだから、けっこう怖い部分もあったんですよね。

 ただ、背景がムチャクチャ描き込まれていて、すげーって感じだったのです。

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 舞台となった団地とか、細部まで描き込まれてるんですよね~、そして、超能力バトルのシーンで有名なのが、下の「ズン」です。

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 超能力が球状に作用してる様子がスゴイですよね。
 この表現は大友克洋さんが発明したって言われてたりします。

 リアルな人間描写
 描き込まれた背景
 そして「ズン」みたいな表現方法 等々

 リアルにこだわった大友克洋先生の作風は、いろんな方に影響を与えていて、ほんとにスゴい漫画家さんなのです。


【そして『AKIRA』へ】

 そして、いよいよ、高校1年の時に『AKIRA』の第1巻が発売されるわけなのですが、緻密に描かれた絵を楽しむためなのか、大判サイズで、けっこう豪華な造りの本だったのです。

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 2巻~4巻までは、1年に1冊みたいな感じで発売されたのですが、その後、映画化の作業のため連載休止で、5巻までかなり待たされたんですよね~。その間がけっこう辛くて、少し、自分の熱量がトーンダウンしたのを憶えています。


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 ただ、背景の描き込みはものすごくて、このクォリティを週刊連載で継続するのって、相当なことだと思うのです。(背景アシさんは死ぬ思いだったと推察しますね。)


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 ネオ東京壊滅のシーンもすごい!
 こんなページが延々続くのですから、どれほどの手間がかかったことか....

 この後、瓦礫の国となったネオ東京で、さらなる抗争が行われるわけなのですが、大友克洋さんのマンガって、廃墟や壊滅した都市の風景がピッタリなんですよね。
 そのせいで、今でも、自分にとって大友克洋さんと言えば、その瓦礫の風景を思い出すのです。


【映像作品】

 近年は漫画よりも映像作品の方が多い大友克洋さん。
 『AKIRA』の時は、動きは滑らかだったものの、漫画の描き込みとはギャップがあったように感じましたが、作品を重ねていくうちに、漫画の延長線とは違った新しい表現に挑戦されてるように感じます。

AKIRA


MEMORIES


スチームボーイ


SHORT PEACE


そして、製作が発表されている『ORBITAL ERA


 さらに、今年は『大友克洋全集』なるものが刊行されるらしいです。
 まだまだ、精力的に活動されている大友克洋さんに注目なのです!