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親戚のお葬式に出席する ~とあるOLの乳がん日記【52】

52.

母親から親戚のお葬式、どうする?と聞かれたので、お葬式の日程を聞くと、明々後日で平日だった。
もちろん会社があったけれど、どうするもなにも、家族全員が出席するのに、私だけ出ないとか、それはないだろうと思って、出ると言った。

亡くなった親戚の家族以外は、私がガンの手術をしたことを知っているので、当日私は親戚の前で、どういう感じでいるのがいいだろうと、思った。


お葬式の当日になって、親戚がぞくぞくと集まってきた。
今年はお正月の集まりがなくて、ちょっとだけ寂しかったけれど、結局会うことになった。
でも、私の頭の中は、ガンとか抗がん剤とかのことで頭がいっぱいだったので、みんなと何を話したらいいかやっぱりわからなくて、従兄弟が連れてきた小さい子供と一緒に遊んだりしていた。
私は親戚の中で一番年下で、こうやってよく大人たちに遊んでもらった思い出があるので、子供と遊ぶのは好きだった。

そうしているうちに、なんとなく調子を取り戻してきて、仲の良い従兄弟に、手術のときに、家族が間に合わなかった話とか、針が入らなかった話とかを、笑い話で話したりした。
でもやっぱり、亡くなった親戚と対面すると、みんな泣いて、私も泣いた。

お葬式は滞りなく終わって、このまま焼き場に向かうためにバス移動をすることになった。
そうしたらその日、まだ、一度も会話をしていなかった親戚が私に近寄ってきて、とくに何が、と言うこともなく、私の顔をまっすぐ見て、負けちゃダメよ、と言った。
それだけで、当然何のことを言っているかわかったけれど、でも、もう、私の心はとっくに負けていたので、笑いながら、泣きそうになって、難しいです、と言った。

焼き場に向かって、最後のお別れをしたあとは、時間まで親戚間で会話をした。
私のテーブルは姉と、亡くなった親戚の家族さんで、年末年始どう過ごしていたかとか、世間話をしていた。

ガン告知をされてから、いろんなことがいっぺんに起きているように感じるせいか、当たり前のようにずっといてくれた親戚が亡くなったことも、全然現実味がなくて、なんだか全部が嘘みたいだと思った。

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