いま選びたい「希望の一文字」(再会の企画vol.1)
コピーライター・作詞家の阿部広太郎さんが主宰する連続講座「企画でメシを食っていく(通称企画メシ)2021」企画生が中心となり、2022年6月25日、オンライン同窓会「再会の企画」を開催しました。
当日は阿部広太郎さんの著書を参考に、ことばのワークショップを行いました。「I LOVE YOUの訳し方」と「希望の一文字」がテーマです。
当日のレポートがこんなに遅くなってしまい申し訳ありません。しかし、結果として、年末にふさわしい話題に。
「希望の一文字」のワークについてご紹介します。
心の拠り所になる「希望の一文字」
阿部広太郎さんの著書『それ、勝手な決めつけかもよ? だれかの正解にしばられない「解釈」の練習 』で、「この1年の希望の漢字一文字を決めよう」というワークショップが紹介されています。
「一文字の漢字を通して、未来を解釈していくやり方もある」と阿部さんは言います。
このテーマを選んだ運営メンバーの思いもご紹介します。
どんな1年を過ごしてきたのか、どんな変化があったのか。変わらない可能性もある。どうして変わったのか、変わってないのかを考えると面白いのではないか。1年間歩いてきた足跡、過去に遡ったり、これから行く先について考えたみたり。一文字にして、考えを話すことも大切だと思い、このテーマに決めました。
私たちの「希望の一文字」
今までの自分、今の自分、これからの自分のために、拠りどころとなるもの。今の自分に贈りたい、1年後どうありたいのか、など、自分なりの「希望の一文字」を選びました。
混
(火の玉ボーイ)
混合、混迷。混ざるという「混」の一文字。去年転職し、新しい環境に入り、年齢や考え方の違う方と話したり、状況や住む場所も変わったりしました。そうすると、いろんなものが混じってくる。混ぜこぜになったものを白か黒か分けるのでなく、混ざっている状態で自分なりに噛み砕いて、咀嚼して、今が頑張りどきだというところで、この文字にしました。
「混」という字は、さんずいと昆でできている。「昆」にはたくさんという意味があるらしく、水がたくさんあり、混ざり合っている。いろんなものが混ざり合って、たくさんある状態が自分の2022年。今までもこれからも、この一文字にしていきたい。
希
(しょこ)
希望の一文字そのままですが、希望の「希」。希望という言葉がもともと好きでした。ギリシャ神話の「パンドラの箱(壺)」では、「開けてはいけない」と言われた箱を開けると、病気や争いなど、いろいろな悪いものが溢れ出してしまう。しかし一番最後に希望が残ったので、人間は希望を持ち続けることができるといいます。旅行して好きになったギリシャを漢字で表すと「希」という文字を使うことにも気づきました。ちなみに2022年の希望の一文字は「温」。心を温める、言葉で心の温度を上げる、という意味を込めたものです。
灰
(文通男)
灰=白か黒じゃない。なんでも割り切って考えると楽だけれど、そういうことは世の中にない。どちらにも決められないグレーゾーンで生きていくことが大事だと思っています。それは悪いことでなくて、そこに希望があるのではないかと考えています。
頼
(まっきー)
頼るのが苦手な性格だと思うので、今年の後半は、チームや仲間、友達に頼るのを意識して、楽しく過ごしたいと考えています。
縁
(Shino)
人と人との縁でできていると思ってこの一文字にしました。「言葉の企画2019」で「ことばの日」という記念日ができ、その後のイベントにも来てくれる人たちがいます。今年の「ことばの日」のイベントは隅田公園で開催し、いろんな場所で出会った人たちが集まってくれました。毎年広がっていきありがたいです。仕事など忙しい中で形にするのは大変ですが、みんなに連絡するたびに縁を大事にしなきゃと思います。
納
(はるっぴ)
転職活動をしていたのが、いまは友達づくりをしているような状況です。地元から出たいと逃げ腰だったのをやめて、地元にいる意味を見出す年にしたい、ここにいることの意味を受け入れたいと思っています。いろんな人に出会い、他人も自分も受け入れる。広がって納める、というようなことを繰り返しているし、続けていきたいと思っています。
選
(Maki)
「企画メシ」の最初の講義での「選ぶのは大変だけれど、みんなの推しを選ぶことは自分の道をつくることにもなる」という阿部さんの話を思い出しました。一つずつ選ぶことが自分の道につながっていくのだと思います。不安もありますが、自分が選んできた結果。選ぶことに挑戦して、もっとHappyな選択をし、最高だったと思える自分になリたいです。
統
(Taguchi)
できること、やりたいことがバラバラだったのがまとまってきました。統一って、硬いイメージがありますが、調べてみると糸が集まって、まとまって全体を一つにする。糸の右側に充ちるという字があるので、みたされるという意味もあるのではないかと思って。この言葉を前向きに使ってみたいと思い選びました。
期
(たなべっち)
期待の期。大学生活があと半分で終わるので、自分に期待できるようにこの一文字にしました。大学生活でやっておいた方がいいことがあったら教えてほしいです。
兼
(たまみん)
兼ねるの「兼」。仕事が兼務になり、実家との向き合い方も考えることが増えました。今までは何かやるなら一個に集中しないといけないという考えが強かったのですが、今あるものにプラスする、兼務する、一個でなく二個とか欲張ってもいいと思うようになりました。0か100かでなく、今の状態で何かできることをしたいと考えるようになりました。調べてみると、「兼」には将来のことまで考える、予想するという意味合いもあります。企画メシが、将来のことに目を向けるきっかけになりました。
言
(Chisato)
言うことって大事だと思いました。楽しいことって、口を開けて待っていても向こうからはやってこない。主体性を持って動いて、楽しいことを作りにいくことをしていきたい。新しい人と出会ったり、新しく開拓したり。そのために、言うことも大事にしたいと思いました。
一
(チャッピー)
横線に見えるけど、十にも、百にも千にもなれる、可能性にあふれた文字。それに、目の前の一つひとつを大切にすることで未来が豊かになる。二人でいても、みんなでいても、最後は自分一人だと思うことで、強く生きようと思える自分がいます。
企画メシをきっかけに始めた活動があり、「言うことで見つけてもらえる」と感じたというShinoさん。共感したという話をシェアしてくれました。
「自分のやりたいことを一言で表せること、何をしたいと一言でシンプルに伝えることは大事だと思います。繰り返していくと、人に紹介してもらったり、つなげてもらえたりする機会が増えていく。自分がやりたいことが何か、まとまらなくてもいいから伝えること。きれいな言葉で伝えようとしがちですが、きれいな言葉で話すと響かないことも。たとえ拙い言葉でも、想いを持って話している人の熱は伝わってきます。自分の言葉で想いを持って話すことを意識しています。一言で言えると、次につなげてくれたり、紹介してくれたりする機会が増えていきます」
「希望の一文字」には、その人らしいものだけでなく、意外なものもあり面白く聞きました。自分の中にないものが出てきたり、そこから発見があったり、考えるきっかけになりました。一年の終わりに、新しい年の始まりに、「希望の一文字」を考えてみると、自分の拠り所となってくれそうです。
いつか「再会」できますように
「企画メシ」主宰の阿部さん、事務局のHiragaさんも顔を出してくださいました。
「みんなそれぞれの場所で元気そうでよかったです。これからもいろいろな企画があるようなので、再会の機会も増えていくと思います。そういうことが自然と増えていき、みなさんと関われることがうれしいです。また、次の期の人たちや、誰かと出会えることを楽しみにしています」
(Hiragaさん)
「企画メシを続けていく限り、出会いがあるのがいいと思っています。聴講にもまた来てもらえたらと思いますし、新たに出会ってほしいと思っています。これからも引き続き、いろいろな場所で再会が生まれたらと思っています」
(阿部さん)
協力してくださった皆さんのおかげで、この場を作ることができました。企画メシが終わってからも縁がつながっています。ありがとうございました。
私たちが参加したのは、「いつか仕事で再会するための連続講座『企画でメシを食っていく2021』」。再会できる日を楽しみに、これからも、この出会いを大切にしていきたいと思います。
▼ワークショップのもとになった阿部さんの書籍
▼「企画メシ」のnote
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