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晴れ女の憂鬱

頭が痛い…

洗濯物を干すためにベランダに出た途端、不快な感覚に襲われる

「今日は、雨が降るかな…」

仕事を辞めてから、朝に天気予報を見る習慣がなくなってしまった
学校には置き傘の習慣があるから、子供達が雨に降られたら…
なんて心配もしなくていいからだ

昔から晴れ女の私は
傘を忘れたとしても、大抵外に出ると小雨になってくれたり
一時の晴れ間が差したりする
ただしこれは自分のペースで移動する時に限られるのが不思議

仕事だったり周りの都合に振り回される時と
梅雨の時期だけは
さすがの私もずぶ濡れになるのだ

さらに、雨が降る前には必ずといっていいほど頭痛がする

体調を崩していたり、生理中だったり
肩や首のこりからくる頭痛とはまたちょっと違う不快な痛み


大学に入った頃から起動されるようになった私の雨センサー

それでも確証はなく、自分に自信がない私は
予兆を感じるとすぐに雨雲レーダーを確認する


洗濯物を干しながら
雨の予感を感じつつ、干し続ける私

ふと、道を歩く女性が傘を持っていることに気づく

今日の私の雨センサーは正常のようだ

出かける用事があるけど、洗濯物どうしようか…

映画「天気の子」に出てくる彼女のように
祈れば晴れに出来る力があればいいのに


晴れ女は遺伝するようで
私の娘も晴れ女

気づいたのは保育園で初めてのみかん狩り遠足の時
大雨に見舞われながらもなぜか決行したバスの中
「止まなければ職員がみかん狩りますね(泣」
と話す保育士の不安をよそに

みかん農園に着いた途端に
雲の切れ間から光が差した

一滴の雨も降らないままにみかん狩りを満喫し
昼食をとって、広場で思い切り走って遊ぶ園児達

そろそろ帰る段階になって
バスに乗り込んだまさにその瞬間だった

「雨降ってきたー!!」

大はしゃぎの園児達

「あとは帰るだけだけど
近くにかもめに餌をあげられるスポットがあるんだよね
でも雨が止まないと無理だから、残念だなぁ」

保育士の先生が、残念そうにつぶやく

娘よ出番だ


バスの中で隣に座っていた娘が祈る

すると

なんということでしょう


たったの10分ではあったけれど
雨が止んだのです

「この子も晴れ女だ」
確信しながら
いずれこの子も雨を感知するようになって
私のように不快な頭痛に悩まされるのだろうかと
よからぬ思いが頭をよぎる


雨の日は好きだ
ゲリラ豪雨みたいな雨は辛いけど

でもこの不快な思いは憂鬱でしかない

決して晴れ女であることを自負してはいけない
そこに頼りすぎると
その傲慢さにバチが当たるのか
その度にこの雨の前の不快な頭痛はひどくなる

やはり代償が必要なのだろうか
雨は恵みだ
もちろん雨ばかりが続くのもいいことではないけれど
晴れと雨と
天気にもバランスが必要なのだ
そのバランスを崩してはいけない


でもとにかく
洗濯物は外に干して気持ちよく乾かしたい

そんなわがままをつい優先してしまう


今日は自分の力を信じて
洗濯物は干して出かけよう


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