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父と本と珈琲と

そろそろコーヒーもホットよりアイスが飲みたい季節になってきましたね。
それでもホットコーヒーを飲んでしまうのは父の影響だろうか。

いまや現役を引退して、家でゆっくり過ごしている父だが、
たまに会いに行った時の様子を見る限り、
現役の頃の休みの日の父とほぼやってることは変わりない。

若い頃の父は、平日はほぼ家におらずそれこそ
『24時間働けますか?』のCMが流れていた時代のサラリーマンだったので
毎晩遅くまで働いては飲んで帰ってくる生活。
朝は早くから満員電車で通勤する生活だったので、
ピリッとした空気で出かける様子になかなか声もかけづらい

だけど、休日の父はそれはもうゆったりしている人で。
その時代土曜日は普通に仕事に行ってたので、日曜日の予定のない
休みというのはそれは貴重だったように思う。

午後のひととき。
父はなんとなく嬉しそうに数冊の本と共にリビングに。
いそいそとコーヒーサイフォンを持ってくると
ゆったりとコーヒーを淹れ始める。

私はそんな横でテレビを見てたり、
遊んでたりするのだけど、
そのコーヒーサイフォンでコーヒーを入れる様子を見るのが
すごく好きだった。

コーヒーサイフォンって知らない人いるかな?
調べてみるといまでも電気ポットみたいにはなってるけど
売ってるみたいですね〜

我が家にあったのは、それはもう古いので、
ほんと「ココ理科室かよ!」って思うようなアルコールランプ
を使うやつでした。

フラスコにお水を入れて、アルコールランプでその水を沸かす。
その間に、ミルでコーヒー豆をゴリゴリ…。
子供にはウズウズする光景に、
「豆ごりごりしたいよ〜」と言ってお願いしてたっけ。
ただ、実際にさせてもらったのは数回だけ。
今思えばそれも含めて父の楽しみだったのでしょうw

お湯が沸いたら一旦火を外し、
挽いた珈琲豆を入れた漏斗部分をフラスコの上に取り付ける。
再びアルコールランプを下に置くと…

あら不思議。

お湯が上に上がっていくぅ〜
これを見るのが楽しくてw

火を消して、コーヒーが抽出され終わるまで
ひたすら見つめる私。

父はそんな私を見ていたのかどうか…
ひたすら横でタバコを吸いながら本を読む。

タバコと珈琲と本。

父の三種の神器といっても過言ではないだろうw

ちなみに夜になると、
タバコと酒と語り部に変わるw

現在の父は、病気のせいでタバコは止めてしまい、
お酒も控えるようになった。

美味しい珈琲を飲んで欲しいと思うが、
「珈琲を飲むとタバコが欲しくなる」と言う父。

どうしろってのよ!
とは思うものの、好きなものを我慢するのはやっぱつらいよなぁw

たまに会いに実家に行くたびに
コーヒーサイフォンではなく、コーヒーメーカーで
必ず私の分までコーヒーを淹れてくれる父。

そういえば
コーヒーサイフォンで淹れたコーヒーを飲んだことのない私。

父の日はとっくにすぎてしまったけれど
新しいサイフォンをプレゼントして一緒に飲みたいな。


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