【architecture】大阪芸術大学|SANAA
天王寺駅から、近鉄線に乗り換え約25分で喜志駅に到着する
さらにバスに乗り換え10分ほど乗る
(バスの本数が、かなり少ないので要注意)
さらにさらにバスを降りて小高い丘を登ると
大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎が大学の看板のように突如現れる
床が地面から、そのまま捲れ上がって渦巻き状に伸びていくような建物だ
周囲は木々が生い茂っており、自然に溶け込むような感覚がある
関係者ではないので中には入れなかったが、外からは建物の周りを上ったり下がったりしながら回ることができる
内部にも外部と一体化したスロープになっている
外部と内部はほとんどガラスで区切られているだけなので内と外の境界が曖昧である
外のスロープを歩きながら内部を見ると、その先の外部が見える感覚は不思議である
恐らく内部からは外の木々や空が常に見えるのでまるで外にいるかのような体験ができるのだろう
外部と内部の境界を曖昧にする体験は建築として非常に面白いと感じる反面、壁がないことによるスカスカ感というか、抜け感が強過ぎて落ち着かないようにも感じてしまった
スイスでSANAAが設計した『ロレックス・ラーニングセンター』も同じように床が隆起した斜めの床の建築であるが、こちらの方が全体が長方形という幾何学に納められていることもあり、安定感があるのではないだろうか
ロレックスでも試された斜めの床については、今までほとんど試されていなかったように思う
恐らく業界的にもタブーとされていたものをSANAAによって建築化されたところはある
地面が隆起していくイメージは面白い構成ではあるが、私はどこか落ち着かない感じがあった
同じ勾配で続く一直線のスロープとは違い曲線状に勾配がついているので、どうしても足元に目がいってしまう
コルビュジェの『サヴォア邸』のスロープは体験としての上下運動が表現されているように思われるがそれと同じ解釈ではないようだ
完成から4年が経とうとしているが芸大の学生さん達によりどのように使われているのかまた訪れてみたいと思う
ちなみに、喜志駅からのバスは安藤忠雄さん設計の『近つ飛鳥博物館』行きのバスと同じである
私は、20年くらい前の大学生の時に建築行脚の一人旅で『近つ飛鳥博物館』には訪れたことがあるが、自然が取り囲む環境に階段上の建築物が静かに存在している
今回は時間の関係で行けなかったが折角はるばる行くのであれば一緒に行かれることをお勧めする