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人は子供の時から扱っていないとハサミが使えないと知った話

トップ画像:ナカムラスポーツさん from Illust AC


独立戦争と内戦を合わせると、30年以上戦争をしていた
アンゴラ共和国でのことです。

私たちの事務所で掃除や水汲みといった
雑用係をしていた若い女性が、
一連の作業が終わってしまうと
とても退屈そうになってしまうので、

壁に貼る大きな手作りサイトマップ作りを
手伝わせようということになり、
プリントアウトした文字を

ハサミで切らせてみると、

なんと!

「ハサミなんて使ったことない」とのことで、

右手にハサミを持って、

手をゆっくりと、

「チョキッ…」、

「チョキッ…」、


「チョキッ…」、


と動かす毎に、体が…

「左に…」、


「左に…」、

「左に…」、

と、傾いていってしまうんです…!

で、

あと一回

「チョキッ…」

とやったら、
椅子から落ちるというところまでいくと、

体勢を整え直して

また、

「チョキッ…」、


「チョキッ…」、


「チョキッ…」、





こちら ↓ でも書いたとおり

戦時中のアンゴラはびっくりするほど物がなく、

その環境下で、
しかも貧困層の家庭で育った彼女は、
なんとか小学校だけは通えたようで、
文字の読み書きは辛うじて出来たものの、

ハサミなどという「文明の利器」
使ったこともないまま大人になってしまい、
初めて手渡されたそれを扱ってみようとしたら、

手先だけを動かすということが出来ないということが判明した

というわけです。

私たちも驚いたけれど、
本人も驚いたのではないかと思います。

だって、意図せず体が曲がっていってしまうんですから!

*****

そんなこんなで、

ハサミなどという日常当たり前に使っているものでも
私たちが意識すらせず使えるのは、
幼稚園などで工作をするなどの
機会に恵まれてきたからなんだなぁ…

と、つくづく思ったというお話でした。

本日もお読み頂き、ありがとうございました!


それでは、引き続き仕事に燃えます。>笑

仕事に燃える 猫

※ 「仕事に燃える 猫」はこたつぶとんさんの作品です。


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