見出し画像

アフリカで飛行機に乗る前に行うラゲッジ・アイデンティフィケーションとは


最近はこれが必要なケースが少なくなってきましたが、
まだ時々遭遇することもある

「ラゲッジ・アイデンティフィケーション」


というシステムについてです。

*****

テロ防止のために、持主のいない手荷物を飛行機に乗せない
というルールが世界的に定着して久しいですが、

何をどこにどう入れたのかを把握するシステムが整っていない
発展途上国の空港の場合、

手荷物も飛行機に積んでしまった状態で
乗客を乗せてみたら、一人足りない。

呼び出しても、空港内を捜しても見つからない。

時間は過ぎていく。

これ以上待てないけれど、
乗っていない乗客の荷物は積んでしまっている。

ということが起きた場合、

チェックインをしておいていなくなってしまった乗客の荷物を
捜して降ろすとなると、
片っ端からタグを目で見て捜す…

という、途方もない作業になってしまいます。

そのいなくなった乗客がテロリストで、
そのまま飛行機を飛ばしたら、空中で爆弾が爆発して…

なんてことになったら、たまりませんし、

仮にその人がやむを得ない事情によりそこにいなかった場合は、
荷物だけ飛んでしまっては当然困ってしまいます。


そこで、システムが未整備の空港では

ラゲッジ・アイデンティフィケーション


というシステムが採用されています。

*****

これは、単純に乗客自身が飛行機に乗り込む前に係員に

「これ!」

と、並べられた手荷物の中から
自分のスーツケースを指差して、
荷台に乗せてもらうだけのことなのですが、

指差したスーツケースを「乗せるもの」側に置く人と
その荷物を荷台に乗せる人が別々にいる場合は
実際それでいいのですが、

「これ!」
と言われたものを取っては荷台に乗せる人ばかりが
2~3人いるといった場合は、

「これ!」
と指差せるまでに時間が掛かってしまうので、

自ら荷台のところまで引っ張っていったり、
荷台に乗せたり

といったこともあり得ます。

*****

このこと自体は、大した労力が必要なわけでもないですし、
慣れてしまえば「そんなもんだ」と思えるのですが、

問題は、それが必要だとのアナウンスがある場合が少なく
(「そんなの当たり前だ」と思っている人が多いものですから…)、

ボーディングの列の最初の方に
そんなことはてんで知らない先進国の人がいたりすると、

自分のスーツケースの脇を通っても

「なんだ、まだこれから積むのか」

程度にしか思わず、
とっとこ飛行機に乗り込んでしまったりするんですね。

そうすると、

全員乗り込んでから、

「ラゲッジ・アイデンティフィケーションをしていない人はいませんか?」

と、CA が聞いて回るのですが、

そういう人は、そもそも何の話だか分かりませんし、

CA のしゃべっている言葉そのものが
理解できないなんてこともありますので、

当事者が事情を理解するまでに時間が掛かることが多く、

荷物が並べてあった場所と
飛行機が止まっている場所との距離にもよりけりですが、

原則、当事者が一旦飛行機を降りて

「これ!」

と指差すのがルールですから、
それにも時間が掛かります。

そして、

その当事者の席が後ろの方だったりすると、
その人は、そのために通路を往復するあいだ中、
他の乗客から白い眼で見られる羽目になります…。>爆!

*****

従って、

「そんなこともあり得るんだね…。」

と頭の隅に入れておくと、
万が一生まれて初めて発展途上国に行く

なんてことがあった場合には

ひょっとすると、役に立つかもしれません。>笑

という、なんとも「役立ち率」の低い情報でした…! 

にも拘わらず、

お読み頂き、誠にありがとうございました!


タコ 赤面

※「白い眼で見られるタコ」、否、「タコ 赤面は」は
こたつぶとんさんの作品です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?