アフリカで飛行機に乗る前に行うラゲッジ・アイデンティフィケーションとは
最近はこれが必要なケースが少なくなってきましたが、
まだ時々遭遇することもある
「ラゲッジ・アイデンティフィケーション」
というシステムについてです。
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テロ防止のために、持主のいない手荷物を飛行機に乗せない
というルールが世界的に定着して久しいですが、
何をどこにどう入れたのかを把握するシステムが整っていない
発展途上国の空港の場合、
手荷物も飛行機に積んでしまった状態で
乗客を乗せてみたら、一人足りない。
呼び出しても、空港内を捜しても見つからない。
時間は過ぎていく。
これ以上待てないけれど、
乗っていない乗客の荷物は積んでしまっている。
ということが起きた場合、
チェックインをしておいていなくなってしまった乗客の荷物を
捜して降ろすとなると、
片っ端からタグを目で見て捜す…
という、途方もない作業になってしまいます。
そのいなくなった乗客がテロリストで、
そのまま飛行機を飛ばしたら、空中で爆弾が爆発して…
なんてことになったら、たまりませんし、
仮にその人がやむを得ない事情によりそこにいなかった場合は、
荷物だけ飛んでしまっては当然困ってしまいます。
そこで、システムが未整備の空港では
ラゲッジ・アイデンティフィケーション
というシステムが採用されています。
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これは、単純に乗客自身が飛行機に乗り込む前に係員に
「これ!」
と、並べられた手荷物の中から
自分のスーツケースを指差して、
荷台に乗せてもらうだけのことなのですが、
指差したスーツケースを「乗せるもの」側に置く人と
その荷物を荷台に乗せる人が別々にいる場合は
実際それでいいのですが、
「これ!」
と言われたものを取っては荷台に乗せる人ばかりが
2~3人いるといった場合は、
「これ!」
と指差せるまでに時間が掛かってしまうので、
自ら荷台のところまで引っ張っていったり、
荷台に乗せたり
といったこともあり得ます。
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このこと自体は、大した労力が必要なわけでもないですし、
慣れてしまえば「そんなもんだ」と思えるのですが、
問題は、それが必要だとのアナウンスがある場合が少なく
(「そんなの当たり前だ」と思っている人が多いものですから…)、
ボーディングの列の最初の方に
そんなことはてんで知らない先進国の人がいたりすると、
自分のスーツケースの脇を通っても
「なんだ、まだこれから積むのか」
程度にしか思わず、
とっとこ飛行機に乗り込んでしまったりするんですね。
そうすると、
全員乗り込んでから、
「ラゲッジ・アイデンティフィケーションをしていない人はいませんか?」
と、CA が聞いて回るのですが、
そういう人は、そもそも何の話だか分かりませんし、
CA のしゃべっている言葉そのものが
理解できないなんてこともありますので、
当事者が事情を理解するまでに時間が掛かることが多く、
荷物が並べてあった場所と
飛行機が止まっている場所との距離にもよりけりですが、
原則、当事者が一旦飛行機を降りて
「これ!」
と指差すのがルールですから、
それにも時間が掛かります。
そして、
その当事者の席が後ろの方だったりすると、
その人は、そのために通路を往復するあいだ中、
他の乗客から白い眼で見られる羽目になります…。>爆!
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従って、
「そんなこともあり得るんだね…。」
と頭の隅に入れておくと、
万が一生まれて初めて発展途上国に行く
なんてことがあった場合には
ひょっとすると、役に立つかもしれません。>笑
という、なんとも「役立ち率」の低い情報でした…!
にも拘わらず、
お読み頂き、誠にありがとうございました!
※「白い眼で見られるタコ」、否、「タコ 赤面は」は
こたつぶとんさんの作品です。
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