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停戦状態とは平時に戻ったということではないことを肝に銘じるべし

トップ画像:Eddy SilvaによるPixabayからの画像


ある時、アンゴラ共和国へ向かう事前の打ち合わせの際、

「現在、停戦合意が守られていないことを不服として
国連機関がアンゴラから撤退中です」

との連絡がありました。

停戦中ということになっているのに、
一部戦闘が続いているという、
歪な状態が続いているとのことなのです。

「そうか、普段だと、UNHCRだの、FAOだの、UNDPだのの車両を
多く見掛けるルアンダ市内にそれらがいないんだな。
いつもUNピープルで賑わうレストランとかもガラガラなのかな」

などと思いながら現地に向かうと、

確かにUNHCRだの、FAOだの、UNDPだのの車両は町で見掛けないものの、いつも程は混んでいないレストランには
UN機関のよく見掛ける面々が普通のレンタカーで
乗りつけていたりで、

「んっ?!『UN撤退』というのは、
ロゴ入りの車を走らせないという意味なのか?

と、思ってしまいました。>笑

そこで聞いてみると、

「UNピープルの多くは確かに長期休暇のような形で国外に出ていますが、どうせ戻ってくる話なので、要の人間は残っているのです」

とのこと。

また、

「奥地で紛争が治まらないのが問題になっていますが、
なんだかんだ言っても、原則『停戦中』
ということになっていますので、
危ないですから気を付けて下さいね」

と。

「んっ?どういうこと~?!?!」


*****

その意味は、
日を追う毎に、だんだん分かってきました。

任務を解かれて暇になった軍人が
昼間から飲んだくれており、
軍服姿で武装したままだというのに
因縁を付けて絡んできたり、

ゲリラ化したグループが
どこだかのホテルに手りゅう弾を投げ込んだという
話を聞いたり…。

要は、普段の『統制の取れた戦時中』ではないので
「気を付けろ」
ということだったんですね…。

なにせ、内戦の場合はとくに
(どちらが勝っても首都は使うということもあるでしょうから)
首都で何かあるとすれば、
最後の砦が崩れた時だとしか思えないので、

普段(戦時中の普段ですが)
首都は厳重に守られた「安全な町」
という印象が強いのです。

それが、停戦ともなると、
ガードは薄れるし、
暇を持て余した軍人は悪さをするし、
命令に従うだけの生活から解き放された
変な思想の持主の集まりがゲリラ化するし…。

正直、

「戦争するならするで、真面目にやってくれぃ!
中途半端な「停戦」などという措置だけは
お願いだから、もうやめて!」

と思ってしまいました。

というわけで、
結局、その時が
後にも先にも最も緊張感の高いアンゴラ滞在となりました、

とさ…。

本日もお読み頂き、ありがとうございました!


やれやれ、今晩も夜なべです…。>苦笑

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